5アンダーパーでホールアウトした小田孔明は「まず、これで一安心です」と胸をなでおろして見せた。日本オープンには二つの目標をもって臨んでいる。そのひとつが、「どんなことがあっても予選落ちだけはしない」というものだ。初出場した2007年大会から、1度も予選落ちはなく、全日程をラウンドしている。「これ、ささやかながら自分の自慢です。なんといっても、予選落ちがないのは、この日本オープンだけですから」。今大会で15回連続出場になる。第1日の5アンダーパーで、連続予選通過は続きそう。それが、一安心の理由だ。
もう一つの目標はー。小田は、日本オープン最終日をトーナメントリーダーで迎えたことが3度ある。
「でも、1度も逃げ切れていないんです。逃げ切れないのが、自分の日本オープンでもあるんです。これをどこかで打ち破りたい」というのが、もう一つの目標なのである。
「グリーンが良く止まる状態なので、このコンディションが続けば優勝争いはすごいスコアの伸ばし合いになるような気がする。ボギーなんて打ってる場合とのじゃないですよ」
5バーディでボギーなし。ボギーフリーのカギを握るのは距離の長い3番パー4(501㍎)だという。練習ラウンドでは第2打で5番ウッドを手にしていた。それが、この日は5番アイアンで2㍍ほどに乗せてバーディに仕留めた。「ボギーにはしたくないホールでバーディですから、気分最高ですよ」
第1日の組み合わせは、寺西明、高山忠洋とのラウンドだった。「ベテランと呼ばれるようになった自分が、自分より上の人たちと回るなんて滅多にない。第2打を最後に打てたのも、マイペースをキープできた理由です。自分は、けっして飛ばない方だとは思いませんが、いまの若手は、みんなぶっ飛ばしますから、“ようし、オレも”なんて力まされる。どっかに飛んで行ってしまうのがパターンになっていたけど、今日は気持ちよくラウンドさせてもらえました。ノーボギーは、そのおかげでもあります」
第2日、第3日と「伸ばせるだけ伸ばしてリーダーとして最終日を迎える。そして逃げ切る。そんなことを考えて寝たら気持ちよく熟睡できるでしょうね」。小田は、悲願達成を目論む。
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