ショーン・ノリスは、南アフリカ出身の選手である。2016年の「レオパレス21ミャンマーオープン」で優勝し、それをきっかけに日本ツアーを主戦場にしている。もともとサンシャインツアーでプレーし、2度の優勝を果たしたあと、2008年に初開催された「アフリカオープン」、2011年の「ナシュアマスターズ」でも優勝し2011年から欧州ツアーに参戦。その後、アジアツアーを経ての日本ツアー参戦という経歴の持ち主である。日本での戦績では、2017年の日本ゴルフツアー選手権 2017年森ビルカップ Shishido Hillsに優勝したことが大きい。その後も、2018年HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP
優勝など積み重ね、2019年には、トップ杯東海クラシックに優勝した。このときは、7月に父親の死という辛い日々を送ったあとの涙の優勝だった。
体格も188センチ、体重100キロと大型だけれど、その心情はむしろ日本的。努力を積み重ねて踏ん張っていくタイプの選手である。
この日、8バーディ・1ボギーと素晴らしいプレーで通算11アンダーで池田勇太と並ぶ首位タイに躍り出た。
「過去の日本オープンと比較すると、印象はかなり違うコースですが、間違いなく挑戦しがいのあるコースですし、しっかりと自分の目標を決めて、うまくボールを運ぶことが必要になってくると思います。
ナショナルオープンは、どの国も大会でも、最大の栄誉だと思っています。ですから、せっかくいい位置で後半戦に臨めるので、勝てたらとても嬉しいですね」と意欲満々に語っていた。「ショット、そしてパッティングの調子がどんどんよくなってきているので、楽しんでゴルフをすることを目標にやっていこうと思っています。楽しんでいれば、自ずと流れもよくなって、いい結果がついてくると思っていますからね」と語った。
楽しむゴルフという言葉は、誤解されやすいけれど、昔、青木功プロに聞いたら「俺たちが楽しむゴルフをするというのは、最後まで、諦めないってことだよ。どうやったらいいスコアに結びつくか。それを考える楽しさ。そして、そのイメージどおりのショットが打てたときの喜びも、楽しい。ゲームを諦めないで積み重ねていくことが、楽しいという意味なんだよ」と教えてくれたけれど、ノリスの心境は、きっとそういう楽しみを言っているのだと思う。後半戦。上位に、個性的な選手たちが出揃っている。ギャラリー目線から言えば「楽しいゲーム」が、観られそうである。
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