第1、第2のラウンドの組み合わせは、任意に主催者側が決める。その中で「この2日間、ギャラリーの人たちは、喜んでくれたと思う」という池田勇太の組は、小平智、そして手嶋多一の3人である。池田は「(小平)智もPGAツアーから帰ってきて、そういう技術を見せてくれていたし、手嶋さんは手嶋さんで、ベテランで、シニアオープンチャンピオン(2021年)らしいゴルフというものを見せてくれて、それに僕のゴルフと、グループとしては、とてもギャラリーには見ごたえがあった組み合わせだったと思う」と言っていた。
トーナメント観戦の面白さは、単に順位だけを追い求めるだけではなく、選手たちのショットの精度、球筋や妙技の
引き出し、選手の個性を加味して、どう攻めていくかという見方もある。池田が話した「3人3様」の技量と個性が楽しかったというのは、そのことだった。
池田は、第1ラウンドで6アンダーの65。そして第2ラウンドでは、6バーディ・1ボギーの66でホールアウトした。「今日は、ショットが良くなかったですね。しっかりとフェアウエイを抑えきれなかったというのが、なんとなく、こう……。スコアは、良かったけれど、もっと楽にゴルフがしたかった。もちろん、いいパターも決まってくれたし。何ホールか、素晴らしいピン位置もあって、なんとも言えないけど、とりあえずいい位置で残り2日間を迎えられますよね」と語った。
ショットが良くなかったけれど、それこそピンを狙うショットのバリエーションの引き出し力が、このスコアに結びついたのだろう。池田は、この日は午前組のスタートだった。「きっと午後組もどんどんスコアが伸びるだろうし、どういう順位で明日を迎えることができるか解らないけれど、今日もティショットが悪いながらもスコアをまとめることができたので、昨日といい今日といい、結果的にはいいゴルフができたと思う。だから、この2日間を台無しにしないようにしたい。明日、明後日と、2日間、その日その日で流れが違うと思うけど、しっかりと流れに合わせてプレーしていきたい」と語っている。
池田の本領をうまく発揮させてくれた外的要因があるとすれば、この小平、手嶋の組み合わせだったと思うのは、穿ち過ぎだろうか。小平は「(ラウンド中)お互いの成長ではないけれど、僕が成長と言ったら失礼ですけど、勇太さんも変わっている部分があったし、僕も変わった部分を見せられたかなと感じるので、最終日に(お互いに)いい闘いができればいいなと思います」と言っていた。目には見えない選手同士の反応だった。
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