4アンダーパーからスタートした2日目の飯島弘明。好調なドライバーショットでフェアウェイをとらえ、バーディに繋げていった。2、3番の連続バーディを起点となって順調に伸びるスコア。6番で第2打をバンカーに打ち込み、ボギーにするものの続く7番から2度目の連続バーディを奪ってペースはとどこうことがなかった。さらにインにターンしてからも16、17番で3度目の連続バーディとスコアを伸ばし続け、このホールが終わったところで通算9アンダーパーとトーナメントをリードしていた。ところが、最終18番パー5ホールに思わぬ落とし穴が待っていた。
ドライバーショットは、フェアウェイに打ち出された。ピンまでは、やや打ち下
ろしの240ヤード。好位置をキープしたことで、レイアップではなく2オン狙いとアグレッシブな気持ちが前面に押し出されたようだ。このときの心境を飯島は、次のように明かした。
「2オンというより手前エッジでもいい。そう思ってUTクラブ(ロフト21度)を選んだのですが、いざ打つときになって“ちょっと短いかな…”というのが余計な反応となってダフッてしまいました」
ボールは右に飛び出し、ペナルティエリアに転がり込んでしまった。そして、スコアはダブルボギー。2ストロークを失い、通算7アンダーパーでのホールアウトとなってしまった。
「でも、攻めた結果ですから、仕方ありません。ダメージはありませんよ」
シニアルーキーで、日本シニアオープンは初出場となる。今シーズンは、先輩プロへの挨拶から始まった。ひととおり挨拶を済ませて、落ち着いて戦いに挑めるようになると、ショット、パットともに調子が上向きになり、前週のコマツオープンでは初めてのトップ10入りとなる8位タイに食い込んだ。
レギュラーツアー時代は04年ミズノオープン2位(プレーオフ負け)以外目立った成績は残せなかった。「自分はそれほど飛距離を出せるタイプではないので、アプローチとパットでなんとかしのいでいかなければなりませんでした。爆発的なスコアは出せなかったですね」。飯島は、レギュラーツアー時代をそう振り返った。
シニアツアーでは、戦うのに十分な飛距離レベルとなり、夢が広がっている。「これまでとゴルフスタイルを変えることなく、いいスコアが出せるようになった気がしています。だからマイペースでラウンドできています」
第2日の最終ホールでダブルボギーを打ったことも、さらりと受け流せたのも、そのあたりの余裕であろうか。好位置で決勝ラウンドに進んだ。
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