5バーディ・1ボギーの67をマークして、通算6アンダーで首位と2打差の3位につけた桑原克典。バーディを5つもぎ取っているにも関わらず「グリーンは、まったく読めませんでしたね」と難しさを強調していた。「芝目、アンジュレーションが複雑に入り混じっていて、ほんとに難しい。ボールとカップの間に、いくつものラインがありますから、読めない。そこをなんとかしようと頑張っても、最後は、自信を持って打つしかないという感じでした」と、結局、読み切る正解には、たどり着けないままプレーをしていた。
中でも、苦しかったのは、前半を終えて、10番から13番までの4ホールだった。「ほんとに、なんとかパーで凌げたということ
が、結果的に、良かったのだと思います。14番でボギーを叩きましたけど、それでも10~13番のほうが苦しかったですね。その後も、入らず入らずで、ようやく踏ん張ったおかげで18番でバーディが獲れたのだと思います」
前半。2番、3番で、ともに5メートルほどの距離を沈めて連続バーディ。さらに6番、7番でもバーディを奪ってアウトを31で折り返すことになった。
その時点で、上位グループの渦の中に加わった。そんな自分のポジションも手伝って、余計苦しい後半を迎えることになったのだろう。スコアを落としたくない。順位をキープしたい。というさまざまな雑念も、よりライン読みを複雑にしたのかも知れない。
「たとえば、ピンの位置で、右サイドが比較的易しいとして、結果的に少しショットを引っ掛けてピン左サイドにボールが止まったとしますよね。すると、上って下り傾斜で、上りが逆目。平らな部分が横傾斜、下りが順目とかね。もう頭の中が混乱してますます読みを難しくさせてしまうんですね」と複雑怪奇なライン読みを語ってくれた。
それでも5バーディが獲れた理由は「最後は、自信ですね。このところパッティングの調子がいいんです。ですから、読み切れていなくても「自信」をもって打つしかないんです。なかには「えっ? 信じられない曲がり」ということもありましたけど、それでも自信を持つしかない。しっかりと打てたことが良かったのだと思います。自分のストロークを信じて、ここに打つと思いきれる選手が上位にくる選手だと……」と言った。そして「(ミスしても)自分を責めすぎないことだと思います。あと2日間。プレッシャーの中では「?」ですが、この気持をやり通せれば……」と期待が膨らむ。
そして、もう1点のチェックポイントがある。それは「最後は、脚に来ちゃうんですよ。若いとき(レギュラー時代)にここでのトーナメント出ていたときは、なにも感じなかったのに、シニアになると、後半で脚にきて、知らない間に下半身が止まってしまっていたりということもあるんですよ。ですから、スイングでは下半身が止まらないようにというチェックポイントを頭にいれてショットしないとだめかもです」
首位の手嶋多一とは、2打差。残り2日間。桑原の「自信」が、奏功することを期待したい。
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