アマチュア選手でただ一人予選通過を果たした水上晃男は、第3ラウンドで3アンダーの69をマークして、全体で7位タイにつけた。「せっかくだから、少しでも上位に行きたいですね」と語る水上は、54歳になったいまでも、日本アマチュア選手権に出場している。2001年から通算17回。20年間で、2020年コロナの影響で開催中止、2018年の悪天候での中止を除くと2回だけ不出場だが、これだけ長い期間日本アマに出場し続ける選手も稀有だろう。
「日本アマでは、ともかく自分の息子といってもいい年齢の若い選手たちとの戦いですから、それはそれは年々辛くなりますね。飛距離もパワーも全然違いますからね。でも、この大会(日
本シニアオープン)では、学生時代から一緒に戦ってきた選手もたくさんいますから、その意味では、別次元という感覚はあまりありませんね」と言った。
水上は、関西の桃山大学ゴルフ部出身である、同期の選手には、谷口徹、ひとつ下には、深堀圭一郎。あるいは、川岸良兼。小達敏昭、桑原克典らがいた。「桑原選手のプレーを見たときには、ほんとあのころから上手くて、あー、僕はプロにはなれないなぁって諦めたぐらいですから」と教えてくれた。
社会人アマチュアの道を歩んだ水上は、それでも競技ゴルフを諦めることなく戦い続けてきた。2019年日本ミッドアマ優勝など数々のアマ・タイトルを獲得している。「仕事がありますから、個別の練習ラウンドも土曜日とかに来るとか、いろいろやりくりしながらやっています。でも従業員のみんなも応援してくれているので、それを励みに頑張っているんですよ」と言った。
前半は、2バーディ・2ボギー。「雨の日になると、ドライバーショットでは少し(インパクト時にフェースにあたったボールが)滑る癖があるんですよ。今日も、それがでてきて……もう少し、雨の日の撃ち方を覚えないといけませんね」折り返しての12番で、4メートルを沈めてバーディ。16、17番でもバーディを奪って通算6アンダーまで伸ばした。
残念ながら、18番では、ボギー。これも「ドライバーショットが滑って右に、そこから寄らず入らずのボギーでした」と振り返った。
いつもキャディを務めてくれるのは、由美子夫人だ。「結婚何年目ですか?」ときくと「えーと。うーん。30年ぐらかな。ぐらいじゃ嫁さんに怒られちゃいますよね(笑い)」と嬉しそうに語った。二人三脚。同行二人。社会人アマチュアが少なくなってきている昨今、ぜひ、希望の星となって欲しい。
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