濃霧の中断が、小刻みに数回続いた。最初は、12時46分から14分。さらに13時38分から14時7分まで。中断していなくても、霧の濃さは、あちらこちらで見え隠れしていた。
手嶋多一が、8番にいたときが、最初の中断だった。続く9番で、少し待ち時間があり「このままじゃダメだと前向きになろうと心がけてたんです」その切り替えが、後半の10番からの、怒涛の攻めになるスイッチが入った瞬間かも知れない。10番は、5メートル。13番は、1メートル半。そこで中断が20分程度。さらに14番、パー3では、80センチを入れてのバーディ。ダメ押しのように、17、18番も連続バーディ。苦手とするスライスラインが「今日は、
よく入ってくれたんです。僕は、ドローヒッターなので、スライスラインは、得意じゃないんですけどね」と言った。つまりは、しっかりと流されないでストロークができていたということなのだろう。
最終日を前に、2位の深堀圭一郎とは5打差。3位のマークセン、飯島宏明とは6打差である。「いやー、余裕はありませんね。今日だって、1、2番で必死のパーでしたから、あれがもしボギーだったらと思うと恐ろしいですよ。余裕はありません。でも、不安材料も、少ないですかね」と語った。不安材料とは、ショットが振り切れすぎてしまう傾向を指しているのだろう。前週のコマツオープンで、最終日に3つのOBを出した。振り切れすぎてボールがコントロールしきれなかったのだ。「でも、ここはドライバーを使うホールが4回ぐらいですかね。だから、少しは安心なんです」と本音を漏らした。
もし、この大会に勝てば、2001年の日本オープン以来のナショナルオープンのタイトルホルダーとなる。これまでに青木功、中嶋常幸、そして谷口徹の3人が達成している。それを聞いて「あ、聞かなければよかったなぁ。プレッシャーになりますよね」と、言っていた。でも、その表情には、余裕が見えた。
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