第3日の飯島は伸び悩み状態だった。1番をボギーにし、3番バーディで取り戻してからは、動きがピタッととまり、10ホール続けてのパー行進が続いた。14番パー3ホールで7メートルを決め、ようやくスコアを動かしたが、続く15番では霧が晴れない中でドライバーショットを打ち出した。オナーだった手嶋多一が、ほんのわずかに霧が薄らいだところで「じゃあ、いくよ」と3Wでティーショットを打っていた。シニアルーキーの飯島としては、「もうちょっと…」というわけにはいかない。打ち出されたボールは、すぐに霧に飲み込まれて見えなくなった。手応えとしては右にプッシュアウトしていた。念のために、暫定球を打って右斜面に上っていく
と、林の中にボールがあった。飯島は前方の木の間を抜いてグリーンに乗せた。事なきを得たかに思えたが、飯島の後にD・スメイルがフェアウェイにあったボールを打っていた。実は、これは飯島が打った暫定球であった。スメイルのボールはラフにあった。誤球で2ペナルティーとなってしまったスメイル。自分のせいで誤球してしまったのかもしれない…。飯島は責任を感じ、動揺して、このホール、せっかく2オンさせながら3パットのボギーにした。
続く14番パー3ホールで気持ちを切り替え、ティーショットはあわやホールインワン…の20センチ。再び第3日を1アンダーパーにしてのホールアウトとなった。
今大会、飯島のバッグには、女子ツアーで旋風を巻き起こしている稲見萌寧が愛用しているのと同じモデルのパターが入っている。「テレビを見ていて、自分もあれを使ったら、もっと入るかもしれないと思って…」ということで、今大会から投入したニューウェポン。その効果は「微妙な距離のパットがうまく決まるので、たすけられています」とのこと。稲見効果もあってか、シニアルーキーとしては最上位で最終日に臨むことになった。
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