濃霧で2度の中断。選手たちには、長い第3日のラウンドになった。再開されてもホールによってはフェアウェイやグリーンへの視界が閉ざされる状況もあった。2バーディ・1ボギーで13番パー5ホールを迎えた深堀。第1打は、視界に入るフェアウェイに打ち出した。ところが、第2打地点に行ってみると、グリーンは見えなかった。霧が薄らぐまで、待たなければならなかった。待つこと数分。2オンを狙ってのショットは、ダフリとなってグリーンの手前ラフに止まった。ピンまでは20ヤードほど。「しっかり寄せよう」とインパクトを緩めることなくヘッドを打ち込んだ。ボールは、うまくラフを飛び出し、グリーンに着弾するとそのままカップに転が
り込んでいった。イーグル奪取。ここで、明らかに深堀の表情が変わった。「最終日のバックナインで一勝負できそうなポジションにまで行っておきたい」と語っていた第3日のラウンドが、ほぼ狙い通りになることを確信できたからだろう。
16番パー3で4メートルを決めて通算9アンダーパーとしてのホールアウトになった。
「ホントに長い1日でしたけど、イーグルがカンフル剤になったのか、体の動きもよくなってきました。最終日は、(手嶋)多一との同期対決で楽しく、激しく戦いを繰り広げたい。それをギャラリーのみなさんや、テレビ観戦のファンのみなさんにお見せしたいと思います」
2019年大会で谷口徹が一足先に達成した日本オープン、日本シニアオープンのダブルタイトル獲得。本大会最終組で争う深堀、手嶋は、どちらが勝っても谷口に続いてのダブルタイトルホルダーとなる。この対決は深堀が言った「楽しく、激しい」の前半をカットしての激戦になりそうだ。
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