飯島弘明が身上とする丁寧で粘りのあるゴルフは、最終日も変わることなく続いた。フェアウェイをとらえ、グリーンに乗せる。それがチャンスにつけば、そのときは積極的にカップインを狙う。難しいラインやちょっと距離の長いパットは着実に2パットで収める。そして、ピンチは得意のアプローチショットとパットでしのぐ。
2番でボギーを先行させたが、そこから、飯島らしいゴルフで3バーディを奪い(ボギーは2番だけ)、通算10アンダーパーで3位となった。これまでは先週のコマツオープンの8位タイがベストフィニッシュだったが、今大会で大きく更新した。3位賞金616万円を加えてルーキーイヤーの獲得賞金は1千万円を超え1,06
8万6,950円となり、来季のシード権をほぼ確定させた。
「ルーキーの自分としては、それが何より大きなことです。これで、不安なく、落ち着いて残り試合に臨めますから。こうなったら、ちょっと大きなことを言わせてもらっていいですか? できることなら、初優勝ってやつも狙っていきたいと思います」
シニアプロにとってシード確保は、翌年の仕事場も約束されるという大きな意味を持つ。そこをクリアした飯島の残りシーズンは、持ち前の手堅いゴルフから一歩抜け出して積極的な攻めのゴルフスタイルが加わることになるだろう。先に向かって明るい道が続きそうだ。
|