全長6,839ヤード。本選手権で最長となるコースセッティング。それでも「長い、長い」と不平をこぼす選手の声は、あまり聞こえなかった。いまの女子選手の飛距離では、対応できる距離になっているのかも知れない。コースセッティングコミッティの勝又正浩さんは「いまの女子選手の平均飛距離からいえば、この長さはナショナルオープンとしては、標準になってきていますね。例えば、全米女子オープンの日本予選会で、全米ゴルフ協会からの要請として、最低でも6,600ヤード以上というレギュレーションがありましたからね」と語っていた。
選手たちは、距離の長さやセッティングへの対応力を持ち合わせている。
ひと昔前と大
きな違いがそこにあるのだろう。距離で苦労するのではなく、そういうセッティングの中で戦うものなんだという姿勢が如実に表れている。
第1ラウンドで、5バーディ・1ボギーの68でホールアウトした小祝さくらも、そのひとりだった。「メジャーらしさの雰囲気がありますね。この長い距離に対して、私は、まずはショットの調整に時間を費やしました。この大会に向けて、まずはショット調整。ティーショットを曲げてしまってラフにいれたら、なにも始まりません。それ以外は、メジャーだからという特別な意識を持たないで、あまり考えすぎないことですかね」と言っていた。小祝は、この大会に向けて、しっかりとコーチと一緒にショット調整をして臨んでいる。
この日、10番からのスタートだった。そして13番で1メートルの距離を沈めてバーディ。続く14番でボギー。さらに15番で4メートルを入れてバーディ。1アンダーパーで折り返した。後半に入って、1番、5番、8番とバーディを奪っての68のスコアだった。
「(これまで戦った)女子オープンのイメージがあまりよくなくて、2020年の2位以外は、ほんとに良い成績を残せていないんです。ですから、今回は、まず我慢のゴルフ。チャンスが来たら、という感じでプレーしました。たぶん、今までメジャーだからと意識しすぎたのだと思います。そうするとショットにも影響してしまうことになるので」といい、今日のゴルフは100点満点中90点の出来だと言っていた。パー5のホールでんバーディが獲れていなかったという質問にたいして「あ、そうなんですね。そうか。知りませんでした。でも、このコースは、パー5は難しいですからね」という。それほど1打に集中し、黙々とグリーンに対して攻め。チャンスが来ればバーディを狙うというシンプルで、最も集中力が必要なプレーができていたということだろう。
最近の女子ツアーでは、若い選手の活躍が目立ちますね、という質問が出た。すると「そうですね、若い子たちに負けないように頑張らないと……。私だって、若いと思っているんですけど、この間、若い選手に、いくつ? と聞かれて、24歳と答えたら、え、もうそんな歳なの? って言われちゃいました」と笑っていた。若い選手たちが、グイグイと台頭してきて、歳なのかなぁ、と思うこともあるそうだ。「やっぱりラウンド後の肉体の疲労感とか、傷の治り具合とか、違うかなぁ」という小祝選手。いやいや、まだまだ24歳です。
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