8月の全米女子アマチュア選手権に優勝した17歳の馬場咲希は、その私生活もゴルフの生活も一変した。
帰国してからの取材対応など多忙の毎日が続いていた。その後JGAナショナルチームメンバーとして世界女子アマチュアゴルフチーム選手権に出場し、個人戦4位の成績で日本チーム3位入賞に貢献。帰国後、日本の女子ツアーの初戦にあたる住友生命レディス東海クラシックでは、初めて見る大勢のギャラリーに「びっくり」したという。その彼女が、特別承認選手として初の日本女子オープン選手権の出場とあって、この日も大勢のギャラリーが彼女のグループを追いかけた。
同組には、勝みなみ、そして西郷真央といわば両横綱に挟ま
ってのプレーとなった。「緊張ですか?スタートホールの第1打目は、そうでもなかったんですよ。それが、グリーンに上がって、パッティングをするときに、足がガタガタ震えているのが自分でもわかったんです。あれ、震えている」と自覚した。それが、2〜3ホール続いていたという。
それでも、しっかりとパープレーで回っていて、7番(536ヤード、パー5)で3打目の残り52ヤードからウェッジで寄せて2メートルにつけてのバーディを奪ったころから「ゴルフ的にも楽になった」と語った。この日、1バーディ・2ボギー。14、15番で連続ボギーとしてしまったのである。
振り返って「前半は、ドライバーショットも悪くなく、いい感じでしたけど、後半、10、11番とバーディチャンスを逃してから、少しおかしくなりました」と言った。勝みなみ、西郷真央の2人に囲まれてのプレー。さぞかしプレッシャーがあっただろうと推測するけれど、本人は、いたってプラス思考だ。
「いや、足が震えるほどの緊張感も、勝さん、西郷さんとのプレーも、ほんとに楽しかったんです」馬場咲希の強さの源は、この元来あるプラス思考の賜物じゃないかと思える。「雰囲気も楽しめましたし、組み合わせも楽しかったです。明日(第2ラウンド)も、2人についていけるように頑張りたいと思います」と語る馬場咲希。17歳、楽しい冒険の旅は、きっと充実しているに違いない。
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