4バーディ・3ボギーの71で通算1アンダーパーグループに入った菅沼菜々にとって、第2ラウンド最大のピンチは、10番からスタートしての14番(パー4)だった。ティーショットをラフに打ち込んだ。ボールを探したが、見つからない。ギャラリーから「そのあたりにもぐり込んでいるから芝生をほじくれ」と教えられ、キャディが深いラフをほじくりだした。あった!ヤーデージ杭の根元だった。この杭の周りは、芝刈り機の歯が届きにくく、ことさら芝生が長く残っている。ボール探しの時間もルールぎりぎりでセーフ。プレー続行となった。脱出させるだけでボギーとなったが、ロストボールだったら打ち直しに戻らなければならないところだった。
ボギーなら悪い結果ではない。
イーブンパーで折り返し、4番(パー5)をバーディにした後の7番(パー5)では、頭脳的なゴルフを展開した。ドライバーショットでフェアウェイをとらえた後の第2打。菅沼は、そのままドライバーを手にしていた。いわゆる直ドラである。2オン狙い?
「いえ、届く距離ではなかったです」
すると、少しでもグリーンに近づける狙い?
「違います。グリーン手前30ヤードぐらいにバンカーがあるんです。そこに入れようと狙ったんです。練習ラウンドのときに、そのバンカーから打ちました。砂の状態が打ちやすくて寄せることができました。なので、ここもバンカー狙いと決めたのです。ドライバーを手にしたのは、低い弾道で転がし入れたかったからです。それならキャリーボールでは少し砂に沈む危険性がありますけど、転がし入れることができれば、ボールのライもよくなりますから」
ここまで計算した上でのクラブ選択であり、直ドラでの攻略だった。このバーディで第2ラウンドには5人しかいなかったアンダーパーマークで通算でも1アンダーパーで2位タイにつけることになった。
「自分では、若いつもり(22歳)でいたんですけど、私より若い人たちの活躍が凄いじゃないですか。負けたくない…という気持ちが、どんどん強くなっているんです。こういう女子プロ界の流れになるとは思っていませんでした」
一気に存在感を高める。日本女子オープンこそ絶好のチャンスだ。
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