2022年度(第55回)日本女子オープンゴルフ選手権競技
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Championship Reports
競技報告
【上田流の難コースへの対処方法】
第2日 競技報告:塩原義雄    写真:Y.Watanabe / Y. Kawatani
1番ホールからのスタートで10番ホールまでは3バーディ・1ボギー。上田桃子は、通算2アンダーパーまでスコアを伸ばして、完全にトップグループ入りしていた。しかし、12番からの4ホールで3ボギーを叩くことになる。まさかの池に打ち込んだミスが急下降への入り口だった。パー5の12番ホール。ウェッジでピンを狙った第3打は、グリーンをヒットしたものの、スピンがかからずに転がり、なんと、グリーンを転がり落ちていった。刈り込んだ下り斜面。転がったボールは止まらず、加速するように池に転がり込んでしまった。

上田は、呆然と転がり落ちていくボールを見ていた。これでボギー。14番、15番でもボギーを重ねることに
なるのだが、気落ちしていたわけではない。ラウンドしながらスコアボードで確認していて、不思議に思い、どうしたことだろう…と考えていたことがあった。

「ショットメーカーといわれる選手たちが、次々にスコアを崩し、落としていく。何かある。それが、いつ自分に巡ってきてもおかしくない。本当に何が起こるかわからないほど難しいコースとセッティングだから」

自分の前後の組の選手たちの流れも、冷静につかんでいた。「みんなボギーを打ち始めたなぁ…」
そして、自分に言い聞かせる。「池に入れたぐらいで、くじけてはいられないぞ」

上田には、メジャータイトルへの渇望がある。どうしてもつかみたい公式戦優勝。なぜ勝てないのか。ヒントを求めてネットをチェックすると、タイガー・ウッズのこんな話しがあった。

「優勝する前にやっておかなければならないことがある。それは、最終ラウンドに優勝するためには、第3ラウンドに優勝を狙える位置に自分を立たせること。そこから最終ラウンドに向かう」

明日が終わったとき、その場所に自分を置くためには、そこに近づけるべく第2ラウンドをまとめておく必要がある。3ボギーの後の上田は16番、18番をバーディにして、2日連続の72でプレーを終えた。「最後まで集中を切らさず、やりたいこと、できること、やってはいけないことのメリハリもつけられた1日でした。スコアはかなり上下しましたけど、納得すべき18ホールになりました」

先週の土曜日に頸椎を痛めていた。今週もコース入りはしても練習ラウンドはできなかった。病院通いで治療にあたる。痛み止め注射をうってもらい、それでも仰向けになって寝ることはできない。うつ伏せ状態で浅い眠りで我慢するしかない。

「これって、日本女子オープンのゴルフと同じでしょ。ゴルフも私生活もやれることをやるしかないですよ。そこに答えが待っていると信じていきましょう」
上田は、めげない。次へ次へと、前を見続けている。

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