ディフェンディングチャンピオンの勝みなみは「大会連覇といわれても、ピンときません」と、ここまでの3日間を振り返って語った。「コースが違うということと、思い通りにならない難しさで、昨年の優勝のことなんか頭に残っていません。まったく新しい戦いを続けている感じです。挑戦者に戻っている気持ちです」
第3ラウンドには、大きな収穫があった。ラウンド中の閃きである。「昨日は、予選落ちだけは避けたいと思ってのラウンドで、きょうはそこからは解放されましたが、ショットに対する不安と不満を抱えた状態でのプレーだった」というのだが、4番ホールでのことだ。「ダウンスウィングからの振り抜き方向が違っているのでは…と
感じて、もっとインサイドからアウトサイドに振っていけば、ショットが安定するんじゃないかと思ってやってみたら、狙い通りのラインに打ち出せるようになったんです」
勝には、コーチがいない。自分で考え、練習して掴んできた独自のスウィングである。だから調子が悪くなっても、自分で気が付かなければ立て直せない。ラウンド中に、閃きによる修正ができて、その後ラフに打ち込んだのは、ボギーにした14番だけにとどめた。
11番(パー3)では、8番アイアンでイメージしたラインに、イメージした弾道で打ち出せた。3メートルについた。これを真ん中から決めてふたつ目のバーディを奪った。そしてボギーにした14番に続く15番(パー3)では2メートルにつけてバウンスバックした。
70のラウンドとなって通算1オーバーパーで3位グループに浮上した。最終ラウンドに向けて好位置につけられた。
「優勝したいという気持ちは、だれも同じだと思います。でも、誰が優勝するのかは、戦っている私たち選手も、見てくださっているギャラリーのみなさん、関係者のみなさん、誰もわからないのではないでしょうか。ひたすら自分とコースに向き合って、だれかがトップでゴールインする。計算できるコースなら、手応えを感じる選手もいるでしょうが、こういうコースでは、それが自分であって欲しいと願うしかないと思います。終盤の優勝争いになったとき、そこに自分もいられたら、何かを意識したプレーになるのではないでしょうか。そうなれるように全力を尽くしたい。今言えることは、そこまでですね」
第3ラウンド。優勝を狙える位置にまではきた。最後の結果がどうなるのか。答えは、明日でる。
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