2022年度(第55回)日本女子オープンゴルフ選手権競技
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Championship Reports
競技報告
【首位に立った申ジエ「難しいコースセッティンが懐かしい」と笑み】
第3日 競技報告:三田村昌鳳    写真:Y.Watanabe / Y. Kawatani
通算2アンダーパー。単独首位となった申ジエ。記者会見で、印象深いコメントが、ふたつあった。ひとつは「こういう(難コースの)セッティングが、懐かしい」という言葉だ。コースセッティングで、バーディがいっぱい獲れるエキサイティングなセッティングも観ていて気持ちがいい。

逆に、ショットひとつひとつの精度やメンタルを駆使して競り合うセッティングのゲームは、面白い。よく海外のメジャーで「真のチャンピオンを生むためには、スコアに表れないミスを積み重ねて、スコアにする精度の高いセッティングが必要」と言われる。ゴルフのスコアは、小数点がない。惜しいバーディパットだからといって、限りなく3に近い4。3.1だ
とか、3.8だとかがなく、4は4とスコアがつく。けれども、そういう小数点が、18ホールで積み重なって現実的なスコアにするために、シビアなセッティングが必要だと言われる。選手をいじめるのではなく、一人の勝者を生むために、拮抗している実力差を、しっかりと小数点なしの数字で、評価したいからだ。

申ジエの「懐かしい」という言葉は、かつて世界のメジャーで戦った経験のある彼女だから出てきた言葉だと思う。きっと今回のコースセッティング・チームが聞いたら、さぞかし嬉しがるはずだ。「距離が長いという感覚はありませんね。それは、フェアウェイも硬くて転がってくれるし、グリーンも硬いから手前から攻める。つまりそのぶん短い番手が使えるからです」と言い切る。

4番(パー5)でバーディ。ピン右2メートルを入れた。9番で、唯一のボギー。「これはナイスボギーだと思います」というダブルボギーになりかねないピンチを切り抜けた。さらに、12番(パー5)。ピン右横2メートル。15番(パー3)。ピン右横3メートル。16番(パー4)。ピン左横で3メートル。これを見ると、ショットがしっかりとバーディチャンスにつけている。グリーンが止まらない、止まりにくい状況を「スピンコントロールで対応」しているのである。

そうは言っても「久しぶりに難しいコースでプレーしているので、頭が痛い。昨日から痛いけど、狙い通りにできているからいいかな」と自信たっぷりのコメントもあった。「バーディも大事だけれど、こういうコースでは、ボギーを叩かないことが、もっと大事だと思う」と言った。

もうひとつ興味深いコメントは「今日も早く寝ます」という言葉だ。理由は「起きているとコース攻略とか考えすぎて眠れなくなる。ともかく、早く寝て、早くコースに行って練習してスタートに備えたい。考えすぎたくない」と言った。トーナメントは、4日間、72ホールで完結する。つまり試合中に3日間夜を挟み、プライベートな時間を費やさなければいけない。そのあいだに、考えすぎてしまうことも翌日のプレーに影響する。申ジエは、考えすぎて、過剰反応を起こさない。メンタル面を休めたい、という意味が「早く寝る」という言葉の真意だった。

懐かしい、難コースのセッティングを、申ジエは、最後(試合が終わる)まで、愉しめるか。試合展開を想像するだけで、眠れなくなる。

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