馬場咲希の初めてのナショナルオープンは通算5オーバーパーで全体の11位タイ、ローアマチュアを獲得して幕を閉じた。8月に全米女子アマチュアゴルフ選手権を制して以来の馬場への注目は、高まる一方だった。日本代表としてエスピリトサントトロフィー世界女子アマチュアゴルフチーム選手権に出場し、個人戦4位タイに入りチーム戦3位タイ入賞の原動力になると、国内プロツアーへの出場と世界を股にかけた馬場のプレーに多くのゴルフファンから熱視線を送られた。そんな周囲の期待の中で迎えた初めてのナショナルオープン。紫カントリークラブ すみれコースの厳しいコースセッティングの中で馬場は最後まで笑顔を絶やさず、自分のプレーを表
現しきっていた。
第1・第2ラウンドは、ディフェンディングチャンピオンの勝みなみ、メルセデス・ランキング1位の山下美夢有と国内トップレベルの選手と同組にも臆さず、その二人を上回る通算2オーバーパーの15位タイで後半のラウンド進出を決めると、第3ラウンドでは河本結と同組で10位タイに順位を上げる。そして最終ラウンドは、歴代優勝者のテレサ ルーとともにプレーし、3バーディ・4ボギーの73でホールアウトした。歴代優勝者やトッププレーヤーと競い合ったこの1週間。普段経験することが出来ないナショナルオープンの厳しいセッティングの中で見せられたトッププロの技術、プレーへの姿勢、スコアへの執着は馬場にとって刺激に満ちたものだったろう。「グリーン周りの深いラフからのアプローチ、厳しいセッティングの中で、攻め一辺倒ではなく、攻守メリハリを持ったプレー。そういうところが勉強になりました」と、充実した表情で日本女子オープンを振り返った馬場。
この後も、国内プロツアー、アジアパシフィック女子アマと試合が続く。来年は、全米女子アマチュアチャンピオンとしてメジャーへの挑戦もある。馬場の未来には想像よりも騒がしい日々が待ち受けているかもしれないが、きっと持ち前の笑顔でそれを受け入れ、さらに成長してくれるだろう。来年、ナショナルオープンの舞台で見る馬場のプレーが今から楽しみだ。
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