今シーズンの金谷拓実は、この3年間でいちばん成績を残せていなかった。今年だけでも、海外のメジャー、米ツアーも含めると、22試合中半分以上で予選落ちしていた。「最近、いい結果を残せていなくて、自信も失いかけていた」と本人がいうように、一昨年、3年前の破竹の勢いを感じられなかった。だから、今大会の第1ラウンドで、4バーディ・ノーボギーの66という素晴らしいスコアを出して、さぞかし嬉しがるのかなと思ったら、むしろ、淡々とした口調で囲み取材に答えていた。
「今日は、(第1打で)フェアウェイに止まったホールが多かったのが、スコアに結びついているのだと思います」とショットの良さを語っていた。確かに、
ノーボギーで、ボギーになりかけたホールも「2ホールしかありませんでした」と言った。「ナイスパー・セーブは、7番(パー4)で第2打を手前のバンカーに入れて、2メートルの距離を残したんですが、それをうまく沈めてのパー。あとは、12番(パー5)でラフからうまくリカバリーができてのナイスパーですね」と、危なげないラウンドだった。
「よかったという意味では、2つ(前後半各1)パー5で、ともにバーディがとれたことですかね。2番(571ヤード・パー5)でグリーン周りからアプローチしてOKバーディ。14番(603ヤード・パー5)で、バンカーから3メートルに寄せてのバーディですね」と振り返っていた。
後輩(東北福祉大学ゴルフ部)の蝉川泰果選手が、6アンダーパーと好成績なんだけど?と記者が聞くと「僕の2つ下なんですよね。こんなスコアが出るなんて……。僕が知っている学生時代は、精神面で、まだまだ甘さがありましたけど、いまは逞しくなっているんですね」と印象を語っていた。
ノーボギー。それも、ナイスパーが2ホールで、4つのバーディ・ホールを引くと、残り12ホールでは、バーディチャンスにつけていた場面が多かったともいえる。金谷の絶妙のパッティング・センスが蘇れば、明日から、もっとバーディを量産できるかも知れない。
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