彼らが出来るなら自分も…
20代の相乗効果
8月の日本プロゴルフ選手権では、堀川未来夢がツアー3勝目を挙げた。今シーズンの堀川はパッティングのイップスのような症状に苦しんできたが、その苦境も乗り越えて本来の「コースマネジメントとショット力でスコアを作るタイプ」というスタイルが戻った。日本オープンゴルフ選手権は、堀川スタイルのゴルフこそが求められる厳しいコースセッティングの中での戦いとなる。期待できる。 8月最終週に行われたKBCオーガスタではルーキーの河本力が、最終ラウンド最終ホールでバーディパットをねじ込み、ツアー初優勝を遂げた。プロ転向してから初めて最終ラウンド最終組での優勝争いだったが、1打差の2位からの逆転優勝で重圧を跳ねのけてみせた。その後、バンテリン東海クラシックでも4打差を逆転し2勝目をあげた。 KBCオーガスタ翌週に行われたフジサンケイクラシックを制したのは大西魁斗。千葉県生まれの大西は9歳で渡米、13歳からフロリダ州にあるIMGアカデミーに入り、そこを経由して南カリフォルニア大学に進み、ゴルフ部でオールアメリカンに選ばれるほどの活躍を示した。帰国後に日本のQTに挑戦し、プロ転向してABEMAツアーでキャリアをスタートさせた。1年目で同ツアーの獲得賞金ランキング15位に入り、2022年の日本ツアー前半の出場権を得た。国内開幕戦こそ予選落ちに終わったが、そこから自身2試合目となるISPS HANDA 欧州・日本トーナメントで4位をはじめ、7位になった日本プロまででトップ10入りが5試合。そして迎えたのがフジサンケイクラシックであった。同じ歳の桂川有人に優勝を先起こされたり、前週には(日本でいえば)1学年下の河本が先んじて優勝を果たしている。「彼らができるなら、自分だってできる」と大いに刺激され、負けず嫌いな性格に火が灯った。フジサンケイクラシックでは、パク・サンヒョンをプレーオフ1ホール目でくだしてのプロ初優勝だった。 あとの2試合はミズノオープンを制した30歳のスコット・ビンセントとセガサミーカップでツアー通算4勝目を飾った41歳の岩田寛。20代の勢いが感じられる結果だ。メルセデス・ベンツトータルポイントランキングのトップにいるのも、26歳の星野陸也である。 |