第2ラウンドを35・31の66で回った比嘉一貴は、通算6アンダーパーと一気に首位タイに浮上した。この日、10番からスタートした比嘉は、いきなり約5メートルの距離を沈めてバーディスタート。その後、難しい12番(パー5)でボギーを叩くも、14、15番、そして17、18番とバーディを奪っての31だった。「今日は、比較的フェアウェイから第2打を打っていたと思います。アプローチもうまくいっていましたけど、アイアンショットにやや不安要素があったかな。それでも、ボギーを少なく纏められたのが好スコアの原因だと思っています」と分析した。それにしても、10番の5メートルを沈め、そのあと3メートル、2メートル、4メ
ートル、2メートルとパッティングだけでなく、アイアンショットと、そのミスをうまくカバーするアプローチの上手さを垣間見る内容だった。
「もちろん、ボギーになりそうな場面をパーでしのげたことも大きいと思う」特に、12番でボギーを叩いたあと14、15番と連続バーディとしてゲームの流れをよくした途端に「16番(パー4)をボギーにしないで、パーで凌げたこのが、次からのバーディ、バーディにつながっていると思います。あれは大事な場面でした」と言った。16番(427ヤード・パー4)。その第2打が、ボールがうまく止まらずに2段グリーンの奥目に転がってしまう。2打目は、池超えで、この日のホールロケーションが、ちょうど2段目の境目のあたり。残り6メートルのデリケートな距離感のタッチとラインだ。それをうまく沈めたことが、比嘉のゲームを救ってくれたのだ。
もちろん、後半に入ってからも、ピンチは続く。1番をバーディとしたものの、そこから7番までずっとパープレーが続いた。耐える時間帯だった。なかでも、3番(187ヤード・パー3)では、グリーン手前のバンカーに入れて、そこからナイスリカバリーをして2メートルに寄せる。それを入れてナイスパー。さらに、7番(518ヤード・パー4)で、ピンチに迎えて3打目の30ヤードのアプローチを寄せてのナイスパーだった。続く8番(195ヤード・パー3)では「(ピンの位置まで)13メートルの距離に乗ったんですよ。どうしても読みきれないラインで、まあ、逃げたというか、消極的になって、3パットのボギー」だった。
この2日間、同組にはアダム・スコットがいた。「以前に一度回っているんですけど、そのときの話をして、僕のことを覚えていると言ってくれてホントに嬉しかったです。ドライバーの平均飛距離を聞いたら、驚きでした。え?平均飛距離?…言いたくないです。でも、ホントに飛ばすと350〜360ヤードは行きますね。最初、こんなもんかと思っていたら、いざというときのぶっ飛びを見て驚きました。飛ばすときのショット、置きに行くときのショット。その両方の再現性がすごいです。ロングゲームがすごく上手いですね。もちろん、ショートゲームもですけどね。だから僕は、”ウェッジゲームなら負けないぞ!”というつもりでやりました。もちろんプレーもですが、その前後の立ち振舞など、勉強するところはたくさんありました」と印象を語っていた。
比嘉は、優勝争いの中にはいって後半のラウンドに向かう。気が早いけれど、もし、比嘉が優勝することになれば、沖縄県出身初の日本オープンチャンピオンとなる。
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