午前組でスタートしたマークセンが、好スコアで伸ばしていた。午後組でスタートした深堀圭一郎は、今日のホールロケーションは、思ったよりも難しくないのかな、と冗談で話していた。ところが、あにはらんや「とんでもなく難しかった」という。深堀は「受け身のゴルフしかできなかった」と語った。選手が、コースと対峙する。基本的なホールデザイン、セッティング、グリーンなどの状況のほかに、ホールロケーションによって強いられる球筋や攻略の仕方が変わってくる。それらと対峙する中で、攻撃していくよりも、防戦一方の流れになることがある。深堀のこの日の18ホールは、防戦一方という印象が強かったと感じたから「受け身」と言ったんだ
ろう。
それでも、受け身から攻めに切り替えられるチャンスはあった。2番でバーディを獲ったあと、防戦のパープレー。「最初に流れを逃したのが、8番のパー5でバーディが獲れなかったことです。その流れから、次の9番(パー3)をボギーにしてしまったことですね」と分析してくれた。
「狙っていけるショットがないほど、今日のホールロケーションは難解だった」と言う。その周辺も、ホールによって均一ではなくなってしまう。それは、午後組になると風が強く吹いて、しかも太陽が照り続ける。「ですから、朝か昨日の夜か、しっかりとグリーンコンパクションを計って、均一の状態にしていても、変わってくるんですよ。柔らかくなっていたり、硬くなっていたり。それが自然の法則ですからね。それに対応でききれなかったこともありますね」と、つくづく自然との戦いの難しさを教えてくれた。
後半、10番でバーディを奪ったあと、やはり流れが好転しなかった。そして15番でバーディ。さらに次の16番(パー5)でバーディを目論んでいたところが、第3打のグリーン手前からのアプローチが、ほんの少し強めに入ってカップをかなり通り過ぎた。その返しを外してのパー。「その流れで、いちばん難しいパー3がやってきて……」という。オナーは、同組の藤田寛之だった。グリーン手前に落ちた。深堀は、ミスしても右側のバンカーと思って放ったボールが、さらに右の左足上がりの深いラフ。スウィング中に足が滑ったのがミスの原因だった。
「追う立場の人間が、流れを2回ものにしきれなかったことが残念です。でも、明日までに首位に3打差まで詰め寄りたいですね。最終ラウンドの天候いかんによっては、チャンスがありますからね」と語った。後ろ向きではない。前向きに、前向きに、明日は、受け身にならず攻めのゴルフを!
|