「今日は、やりたいことができたり、できなかったりの難しい1日でしたね」と言ったのは、宮本勝昌のインタビューの第一声だった。「でも……」と言葉を続けた。「この状況の中で69で回れたことは、スコア的には満足しています」と付け加えた。2番でバーディ。6、8番とボギー。9番でバーディ。前半をイーブンパーで折り返して、中盤の13、14番、そして16番とバーディを奪っての69だった。
台風の影響も手伝って、強風が吹き荒れる。その風の強弱と、動きがままならない。そういう中で「例えば、左からの風に過剰反応してしまったりするんですよね」結果は、過剰反応せずに自分がやりたいことをしっかりやり通すということが出来
るか、出来ないかで大きく変わる。宮本が18ホールを通して、それができなかった場面が反省点だというのだ。そこを修正して明日に臨みたいという宮本は「厳しい状況の中で、少しでもいいスコアを出していきたい」と言った。
シニアルーキーの新鮮さも手伝って、まずは「シニアツアーへの順応性ですけど、最後は、自分のゴルフですからね。明日も、自分の中で、波風を立てないようなゴルフをしていきたいですね。そのためには、まずは1番ホールのティーショット。穏やかにスタートして、バーディがとれたら流れは変わりますからね」と言った。まずは1打。そして次の1打。そういう積み重ねのゲームで、波風立てない自分自身の心情だというのだ。そうすれば、自然の状況が、どんなに波風、いや、風雨であっても見失わないで、いいプレーができる。宮本のゴルフの真髄を聞いたような気がした。
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