ナショナルオープン制覇の気持ちを人一倍強く持っているのは、深堀圭一郎であろう。昨年、手嶋多一が深堀よりも早く達成したが、そのとき「先にやられたか、という思いが強かった」と明かしている。
追撃していこうという第3ラウンド。プレーしながら深堀は考えていた。「風で難しいのはわかっているけど、その中でミスはしないように。そして何発かのラッキーパンチに恵まれれば…」
ミスは、最小限に抑えることができたが、望んでいたラッキーパンチは一度もなかった。ということで、第3ラウンドはイーブンパー、通算3アンダーパーで自分のスコアは動かせず、マークセン、藤田寛之との差を広げられて終わってしまった。最終ラウン
ドには、台風接近という、ますます難しくなる条件の中で追撃していかなければならない。
「こうなったら、朝一番からトップスピード、アクセル全開でいけるように、コンディションを整えておくことが大切になる。様子を見ながら、なんて悠長なことは言っていられませんから。自分を追い込んでいきます。それが、自分に残された、ほんのわずかかもしれないけど、チャンスになるかもしれないので。勝負をかけていきます!」
マークセンとは7打差、藤田とは6打差。大きく水を開けられてはいるが、悲願達成に一縷の望みをかけての最終ラウンドとなる。
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