「うーん。悔しいですね」と藤田寛之は、唸った。終わって見れば、4打差。完敗だ。でも、チャンスは、いくつもあった。「そのチャンスをものにできなかったことの悔しさです。それもこれもショットが、やはり駄目でしたから、問題の根幹はそこにあると思います」と言う。ショットの不安定さは、ここ3年ぐらい続いている。それを修正しきれない何かがあるのだろうけれど、答えが見つからないまま3年が過ぎた。マークセンとの一騎打ち。1打差を追う形でスタートした。このコースでの1打差は、あってないのと同じだ。それほどコースは難しくセッティングしてあって、更に強い風、それも風が舞うことで、読みきれない状態。台風の影響でウエット
なコンディション。あらゆる条件が、過酷にしている。
2番、3番と藤田は、連続ボギーとした。通算7アンダーパーまで落とし、マークセンとの差が3ストローク。続く4番(パー5)でマークセンがボギー。2打差。そのまま8番までお互いにパープレーの状態が続いた。「前半は、安全運転でいったんです。チャンスがあれば、そのときに、と思っていたのですけど、そのチャンスがつかめない。ですから相手にプレッシャーをかけることもできませんでした」と言った。そして9番(パー3)。ティーイングエリアからグリーンは、右上サイドを頂点に、ほぼ45度の斜め角度に位置している。手前が池。右サイドにはバンカーが待ち構え、左サイドにもバンカー。風は、右から左。ときおり右から左に向かってフォロー風になる。藤田は、4番ユーティリティーで打った。「4番ユーティリティーで、風にぶつけてカットするボールを打とうとしたんですが、しっかり捕まってグリーンオーパーになりました」そのリカバリーもうまくいかずにボギー。このボギーが「余計でしたね」と言った。通算6アンダーパー。
折返した10、11番とマークセンは、連続バーディ。通算11アンダーパー。5ストロークまで差をつけられた。藤田にあとがない。12番(パー3)で藤田がバーディ。さらに13番(パー4)でもバーディ。3打差にした。マークセンが、14番でボギー。2打差。「ここでさらにプレッシャーをかけなければいけない流れで、それができませんでした。ショットでプレッシャーがかけられない自分が、もどかしかったです」と言った。藤田は、17番でボギー。18番でバーディとしこの日、73の1オーバーパーで終わった。
拾っていけるゴルフができなかったとも、藤田は語っていた。藤田本来の持ち味が、発揮できないまま、結果的に4打差の2位だった。「このショット(の不安定さ)のストレスをなんとかしないとですね」その問題が解決すれば、来年の世界のシニア・メジャーに気持ちよく挑戦できるはずだ。
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