全長7,315ヤードでパー70。倶楽部創立100年を迎える茨木カンツリー倶楽部。西コースを舞台にした日本オープンゴルフ選手権は長いホールの多い設定になっている。通常営業ではパー5として使われる4ホールのうち2ホールがパー4とされている。
大会3勝目を狙う稲森佑貴は、練習ラウンドで、各ホールのデータをインプットし、自分にとっての攻略法を考え出していた。「僕の飛距離では、よほどのショットでないと2オンできないホールが4ホールあります。そこで、考えたんです。この4ホールは最悪4ボギーでもいい。その場合、18ホールのスコアはきっと2オーバーパーといったところだと思います。この4ホールをいかにパー
セーブで切り抜けるか。そして、ボギーになったことを考えて、自分の飛距離とゴルフでバーディを獲れるホールを頑張って、この4ホールのオーバー分をカバーする。スコアは、それ次第だと思ったんです」
10番ホールからスタートして最初のボギーは、13番だった。502ヤード・パー4に設定された難ホールだ。2オンはできなかった。想定内のボギーである。16番でチップイン・バーディを決めて取り返した。これは幸運。18番(パー5)はレイアップして、3打目を寄せての狙い通りのバーディ。1番ホールにターンして3番(パー3)、6番(パー4)と2バーディ。527ヤード・パー4の7番はボギーにした。
最悪4ボギーを想定していた中で、実際にボギーにしたのが2ホール。それ以外のホールで幸運も含めての4バーディ。この日の2アンダーパーというスコアは、稲森が想定していた4ホールのボギーを2ホールでクリアした結果ということができるだろう。ボギーとバーディの差し引きが稲森のスコアを決めていく。
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