第1ラウンドで4アンダーパーの66で、首位タイに躍り出たアマチュアの岡田晃平は「(スタート前にスコアの)目標は立てません」と言った。「だって、目標を立てると(その範囲内になって)自分の可能性がなくなるでしょう」と付け加えた。あくまでの未知の可能性を信じてプレーを始め、それをし続けるという感覚が彼にはある。練習ラウンドで、レイアップするホールとドライバーを持つホールを考えた。でも、実際は、レイアップするホールは、ほとんどなく(4回程度)、ドライバーで攻めた。そう決めたらそれを貫くというタイプなのだ。「それに3番ウッドで構えたら、どうもしっくり来なかったんですよ。国体に出場したときに、ドライバーを
破損してしまい新調したドライバーがなかなかしっくり来なかったんです。でもなんとか調整できてやってきました」と語った。
「いいスタートが切れたのが、少し余裕を持ってプレーできたのが、きっかけですね」という。2,3番で連続バーディ。2番(537ヤード・パー5)では、第2打を2メートルにつけて、イーグル逃しのバーディ。3番も80センチほどにつけてのバーディだった。岡田が、唯一意識したのは、昨年のチャンピオンである蟬川泰果の偉業だ。「120パーセント意識しています。やはり大学の先輩ですし、僕もアマチュアでこの大会に勝ちたいという気持ちは大きいです」と語った。8,9番と再び連続バーディ。ところが、10、11番とボギーを叩いてしまう。「凡ミスのボギーでした。ああいうのはよくないですね」と言う。凡ミスとは? 「ちょっと悩んだんです。アドレスの立ち方だとか、いろいろ」雑念が払拭しないままプレーした結果だった。「でも、このボギーで、あ……勢いがなくなっちゃうな、やり直そう」と踵を返した。それが結果的には、15。18番のバーディに繋がったのだろう。
昨年、日本アマチュアゴルフ選手権に優勝したときは、最終ラウンドを前に東北福祉大学ゴルフ部の阿部靖彦監督から「明徳義塾(高校)の出身者で日本アマを獲った人間はいない(松山英樹も明徳出身)んだから、初めて穫れるチャンスだよ」と電話口で言われたという。そして優勝した。「目立ちたがり屋なのかなぁ。僕が活躍することで、みんなが喜んでもらえるのが嬉しいですし、岡田晃平という僕を、みんなに知ってほしいというのがありますね。昨年の蟬川さんの活躍は、僕が予想した3倍以上のインパクトがありました。それと比べたらダメなんでしょうが、早くそういうレベルに立ちたいです」と屈託のない言葉で語っていた。
平静心をたもちながらプレーをするよりも、少し感情の起伏をもって、一喜一憂しながらプレーするのが似合っているとも言った。
目標を持つならあくまでも気高く、自分の可能性を頼りにプレーしたいという岡田のゴルフを見届けたい。
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