日本オープンならではのコースセッティングに、深く、密集したラフがある。舞台の茨木カンツリー倶楽部・西コースは猛暑の影響でグリーンのコンパクションは例年のように硬くはならなかったが、その代わりだろう、ラフの手強さはいつも以上のようだ。このセッティングに最も悩まされるのは“飛ばし屋”。ツアーではロングドライブを武器にコースを攻略してきた選手たちだ。
そのひとり、ツアーのドライビングディスタンスでランキング3位(平均301.75ヤード)の幡地隆寛が第2ラウンドを3アンダーパーの67で終えた。通算3アンダーパーで、トップと1打差の3位タイ。優勝戦線に姿を現した。「日本オープンでツアー初優勝」の期
待も膨らむ。本人もその気は十分のようで「(一発やってやろうかという気持ちは)ありますね」と口にする。しかし、それに続けて「あるんですけど、日本オープンはいいショットがスコアにつながるわけではないので……。僕はパターがすごく入るわけではなく、ショットでどれだけつけられるか、ギリギリを攻めていかないといけない。調子は良くなってきたので、(ここまでは)よく耐えたなという感じです」とこの試合の難しさを吐露する。
今日、ドライバーを握ったのは4~5ホールだけ。多くは3番ユーティリティーを手にコースマネジメントを組み立てた。「(日本オープンは)一番つらい試合じゃないですか?終わったら一週間休みたいくらいメンタルがやられる試合です」と自嘲気味になるのも当然だ。
自分の持ち味を隠しての2日間。それでもゴルフの内容は、今日はもちろん、パープレーにとどまった昨日も良かったという。ただし、「今回の自分は、良いショットが良い結果になっても、悪い結果になっても、一喜一憂せず平常心でやるのがテーマです」。
幡地にはとりわけ難しい舞台で、一皮むけた幡地隆寛が見られるかも知れない。
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