通算3アンダーパーの3位グループで21歳の金子駆大と23歳の平本世中がそろって来季のシード権獲得を確実にした。ともに予選会からの本大会出場で、今シーズンの獲得賞金も、大会前までの順位で80位以下にいた。さらに、両者ともにレギュラーツアーへの出場は、今年最後と追い詰められた状況だった。
「ラストチャンスの一発でシードを確実にしたいです」と言っていたのは金子。平本はABEMAツアーで賞金ランク4位ということで、来季のレギュラーツアー昇格を決定させていたが、同ツアーの若い選手たちに「日本オープンでシードを確実にして、僕たちの枠をひとつ空けてくださいよ」とハッパを掛けられていた。ABEMAツアー
の選手がレギュラーツアーでシード権をとれれば、繰り上がりが発生し、レギュラーツアーへの昇格枠がひとつ増えることになるのだ。
首位で最終ラウンドを迎えた平本、3打差で迎えた金子。もちろん、最大目標は「優勝」ではあったが、それが無理だったとしても設定された最低ラインは、厳しかった。
平本は最終ラウンドのバックナインでショットの調子を落とし、4ボギーと前日までの貯金を取り崩していった。それでも終盤17番(パー3)で意地のバーディを奪い、3位タイに残った。金子も14番ホールまでにスコアをひとつ落としていたが、16、17番の連続バーディで、通算3アンダーパーでホールアウト。こちらも3位タイに食い込んだ。
3位タイ賞金は982万8000円。これを加えて金子がシーズン獲得賞金1667万円超えで46位、平本は1417万円超えの48位に浮上した。ともにシード権を決定的にした。
「最低ラインはクリアできた?いや、この結果で終われれば、最高でしょう」という両者。V逸の悔しさは、ぐっと飲み込んだ。
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