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JGA創立100周年のナショナルオープンを締めくくる2024年度(第89回)日本オープンゴルフ選手権が10日に埼玉県狭山市の東京ゴルフ倶楽部で開幕する。メモリアル大会での優勝を目指す出場選手たちは指定練習日の9日、冷たい雨の中でコースチェックを行った。
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ディフェンディングチャンピオンとして本大会に臨む岩﨑亜久竜は、ANAオープンでプロ2勝目を飾ってこの舞台に戻ってきた。身体の痛みから韓国での試合で棄権をしたが、「良い感じの調子が続いている」と自身の好調を自覚している。史上6人目となる連覇には「連覇の意識はしていません」と話すが、「コースは難しい印象ですが、出場するからには優勝を目指して頑張ります」と力強く応えた。東京ゴルフ倶楽部のセッティングには「ラフの状況にもよりますが、運が良ければロングアイアンでもグリーン近くに運べることもあります。グリーンが硬くなるようだったらスコアは出ないと思います。昨年よりも難しく感じています」と、警戒を強めている。ナショナルオープン覇者として過ごしたこの1年。「自分としては昨年と変わらない気持ちで挑めていると思います」と、チャレンジャー精神を忘れずにコースと向き合うことを誓った。
昨年、日本プロゴルフ選手権を制するなど2勝を挙げて賞金ランキング6位となった平田憲聖。今シーズンは4勝を挙げて賞金ランキングトップに立つなど飛躍の年を過ごしている。それでも「シーズンが始まる前も今でも自信という部分では変わっていなくて。ショット、パッティング、ショートゲームも少しでもレベルアップしたいと思って練習している」と驕ることなく真摯にゴルフに向き合っている。その成果もあって、スタッツは各部門で上位となっているが、気になるのはフェアウェイキープ率が約60%で33位とティーショットにやや不安が残るところかもしれない。それでも、粘りのプレーが持ち味なだけに、優勝候補の一人であることに疑いはない。「みんな日本オープンは獲りたいタイトルだと思います。毎年すごく厳しいセッティングなので、勝ちたいという思いはあります」と、ナショナルオープンへの思いを語る。「4日間、アンダーパーでプレーするのは現実的ではないですけど、通算でアンダーパーだと良い順位にいると思います。1桁前半の数字が優勝スコアになるかもしれません」と厳しい戦いへの覚悟も出来ている平田。今シーズンの勢いのまま一気に頂点に登り詰めることができるか。
昨年大会で岩﨑と優勝争いを演じたものの、あと一歩で戴冠を逃した石川遼。これまでも日本オープン優勝に近づきながらも手にできていないが、東京ゴルフ倶楽部で行われる本大会には、石川にとっても特別な思いがある。「子供の頃にプロの試合を見に行ったことは数えるほどしか無いのですが、東京ゴルフ倶楽部で行われた日本オープンを観戦したこと、ジャンボさんにサインを貰ったことはよく覚えていて。自分が東京ゴルフ倶楽部で開催される日本オープンでプレーできることは感慨深いです」と、話す。思い出の地で昨年大会のリベンジをと思うところだが、「まずは上位でプレーするというのが全試合の目標なので、日本オープンでも同じ。先週も予選落ちをしていますし、じっくりゆっくりやっていきたいなという感じです」と、チャンスを待つつもりだ。「過去、自分が経験した中では1、2位を争うラフの深さ。全米オープンと匹敵するぐらいの感じです。自分の中でプランはありますが、他の選手がどのようなプランを立てているのか。選手によってゲームプラン、マネジメントがはっきり分かれるセッティングだと思います。他の選手がどのようなプレーをするのかも楽しみです。1日で1アンダーパーか2アンダーパーでプレーできればよいのかなと思います」と、厳しい表情を見せた。
2週連続優勝を狙う金谷拓実は、9日の指定練習を途中で切り上げて休養にあてた。「先週の優勝で調子は上がっていると思いますし、ナショナルオープンだからしっかり頑張りたい」と万全の体調で初優勝を狙う。また、8度目の出場で日本オープン初優勝の期待が高まるアダム・スコットは「過去7度の日本オープンで一番好きなゴルフコース。ティーインググラウンドに立ってホールを見渡したときのグリーンやバンカーの風景が気に入っています。練習ラウンドでキーポイントと感じたのは16番と18番ホール。それに4つあるパー3も長いホールもあれば、短いホールもあって、コンビネーションが素晴らしい」と東京ゴルフ倶楽部に好印象を抱いている。
過去にもゴルフファンの記憶に刻まれる名勝負を生んできた東京ゴルフ倶楽部。JGA創立100周年にふさわしい熱戦が期待される。