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Championship Reports競技報告

報告:Y.Koseki 写真:Y.Watanabe / S.Osawa

第1ラウンドを7バーディ・4ボギーという出入りの激しいスコアで3アンダーパー、3位タイ発進とした稲森佑貴。第2ラウンドは一転。2バーディ・2ボギーのイーブンパーでプレー。通算3アンダーパーで、3位タイの位置を静かにキープした。

「2~3ホール、バーディチャンスはあったんですが」と振り返るが、その口ぶりに悔しさはない。「そこは、もともとパーでOKなホールだったので、入れたかったけど、落としてはいないから良しとしようと思ってやっていました」と泰然。

今回の日本オープンにおける稲森の基本スタンスは「バーディを獲りに行けるコースじゃないので、とにかくティーショットをフェアウェイに置いて、そこからセカンドも頑張ってグリーンに乗せて、それがチャンスについたら初めてバーディを狙いにいける」というもの。そのため、最初からスコアは計算せず、ホールごとにベストを尽くそうと構えている。

そのスタンスは、遅いスタート組でラウンドする今日のティーオフ前に再確認した。というのは、昨日7バーディ・ノーボギーで飛び出した、早いスタート組の池村寛世が今日は3バーディ・6ボギーと、既にスコアを落としていたからだ。「僕もあのスコアになっておかしくない。今日も1 ホール1 ホール、パーで切り抜けられれば良いかな」と気を引き締めたという。

そのラウンドで、昨日は1度もフェアウェイを外さなかったドライバーのティーショットを、今日は1ホール、距離の長い3番(524ヤード・パー4)で左のバンカーに外してしまった。しかし、それは「ドローの球筋で、ショット的にはミスではなかった」と本人は納得。「僕としては、(力なく)ペラっと右のラフに入るのが一番気持ち悪いので」とポジティブに捉えていた。ただし、フェアウェイが乾き始め、ランがより出だしたため、「アライメント(ティーショットの狙い目)とかは、変えなければいけないかな」と、その点は要対応という。

そのうえで、3度目の日本オープン制覇に向け、明日終了時にトップと何打差以内であれば?と問われると、「このコースは、逃げる立場になるのは嫌。追いかけるほうがいいので、明日も今日と同じ1~2打差であれば、少しは気が楽に追いかけられるのかな」と明かす。

稲森佑貴に「虎視眈々」という表現は似合わないかもしれない。しかし、逃げる側に立たされた選手は稲森から大きな圧を受けるに違いない。「ラフに入れたら何もできない」といった嘆息が多く聴かれる今回の日本オープン。その日本オープンを稲森の存在、稲森のゴルフがより面白く、より見ごたえのあるものにしていることは間違いない。

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