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報告:M.Ideshima 写真:Y.Watanabe / S.Osawa
首位と1打差の3位タイからスタートした木下稜介が3バーディ・3ボギーのパープレーでラウンド。首位タイに並んだ。
「欲を言えばパットがもう少し入ってくれればという感じでしたが全体を通せば良いプレーができたんじゃないかなと思います」この言葉からもイーブンパーがどれだけ上出来だったかがわかる。
この日は稲森佑貴とのツーサムで、日本一曲がらない男のプレーに翻弄されるかと思いきや、逆に冷静にさせてくれたと振り返る。「あまりに稲森選手が曲がらないので、逆に見ていてホッとするというか、自分を取り戻せて、イメージが良かったですね。コースも難しくて緊張感がある中で、ピンに絡めるショットも打てたので、今日のラウンドは良かったと思います」
稲森との同組など木下にとって気持ちが追い風になる要素は様々あったようだが、常に冷静にプレーできているのは、木下自身がスウィングに高い信頼感を持てているからだ。その要因の一つが8月頃から取り組み始めた持ち球のチェンジによるものだ。木下は元々ドロー系が持ち球だったが、それをフェード気味に変えた。
「今年は全英オープンに出場してそこで散々な結果だったんですが、全く通用しなかったのが悔しくて。曲がり幅もですが、一番は下が硬かったので、ドロー一辺倒では戦えないと感じたので、そういう経験もあって球筋を変えて。少し良くなってきているのかなと思います」
今、海外ではフェード系のスウィングが主流となっている。そこには重心距離が長くなったドライバーなど、クラブやボールの影響が大きいが、そこは木下自身も感じていたようで、やはり重心距離の長いクラブでのドローを打つことは出来てもコントロールしきれない部分があったと言う。それを全英オープンで自ら感じるとともに、世界の多くの選手がフェード系を打っているのを見て確信した。
「フェードか真っ直ぐ目に変えたことで、ティーショットの曲がり幅をコントロールできるようになったし、縦距離を合わせやすくなりましたね」。
新しいスウィングと球筋が今週のコースセッティグにマッチしている感覚を持てていると木下。もちろん明日の最終ラウンドも優勝を意識することなく、自分のゴルフをやり切る気持ちは変わらないが、その結果が優勝なら、終盤戦の賞金レースは木下が中心になるかもしれない。