優勝争いは、最終ホールまでもつれ込む手に汗握る大熱戦となった。2位タイグループに3打差をつけて単独首位でスタートした平石が、前半1バーディ・1ボギーとスコアを伸ばせずにいると、4打差5位タイにつけていた室田が4バーディを奪い首位を猛追。最終組で平石とともにプレーしている米山の3番ボギーの後に6番から4連続バーディで平石の差を詰める。さらに9番では渡辺がイーグルを奪うなど、前半から優勝の行方は混迷を極めた。
後半に入ると、平石が11番でバーディを奪い逃げ切りを図るも、渡辺も2バーディ。米山も1つスコアを落としながら、必死に平石に食い下がる。勝負の最初の潮目は15番だった。このホール平石がチップイン・バーディを奪い、後続との差を広げたものの、初優勝のプレッシャーからか16、17番で連続ボギーを叩き、勝負は最終ホールまで持ち込まれる。
2打差で平石を追っていた渡辺は通算7アンダーパーでホールアウト。最終組の平石と米山のプレー終了を待つ。18番(パー5)。飛距離に劣る平石が2打目をレイアップしたのに対し、米山が果敢に2オンを狙いイーグルチャンスにつける。それを見た平石は、114ヤードの3打目をピッチングウェッジでピンを刺すスーパーショットを放ってみせた。結局、米山はイーグルパットを外し通算8アンダーパーで2位。
ウィニングパットをタップインした平石が1打差で米山、2打差で渡辺を振り切り、通算9アンダーパーで嬉しい初のメジャータイトル奪還を成し遂げ、本選手権12人目のチャンピオンとなった。