「昨日の練習ラウンドで、このコースで優勝争いは無理と感じた。1日3オーバーパーでプレーできれば御の字かと。スタートの10番ホールでボギーが先行した時には、“やっぱり”という気持ちでした」という2001年大会優勝の中土靖。しかし、この予感は良い方に外れた。中土が奪った6バーディーは、5番ホールを除いて2メートル以内を決めたもの。特に、12番(パー4)は135ヤードの2打目を9番アイアンで1.5メートル。続く13番でも2打目を9番アイアンで1メートルにつけて連続バーディー。「この2ホールで波に乗れた」中土は、3位タイでホールアウト。「3パットが3回あったが、これは仕方がない。ただ、パー3で2ボギー
は不満。6バーディーだったから良かったものの…」とプレーを振り返った。「今日は、同組のプレーヤーの4人の内、自分も含めて3人がアンダーパー。自分の調子が良いのか悪いのか掴みきれない」と苦笑いを見せた。久しぶりの上位スタートだが「明日も力まないで、ゆっくり自分のゴルフをしたい」と燃える思いは胸の内に秘めていた。
井関と中土の歴代チャンピオンと同スコアの2アンダーパー70でホールアウトした福岡康文は、昨年に続いて2度目の本選手権出場。福岡は、朝焼けがまぶしい8時の第1組でのプレー。1番ホールで2打目をグリーン奥に外して、いきなりのボギースタートとなったが、3番(パー3)で6番アイアンのティショットを3メートルにつけてスコアを戻すと、9番(パー4)もバーディーとし、前半を1アンダーパーでホールアウト。後半は、10番(パー4)をボギーとしたが、直後の11番(パー5)でバーディー。14番(パー3)では、17メートルのバーディーパットを見事に読み切って、この日4つ目のバーディーを奪った。「スタートから、風が少し気になりました。このコースは、ティショットで狙う位置を定められない。アバウトに打っていかなければいけない難しさはある。それでも、今日はイメージ通り打てたショットが多かった」と好スタートに表情を緩めた。昨年は、本選手権初出場ながら9位タイと大健闘を見せた福岡。今年は、「先月の兵庫国体で個人戦6位タイの成績を残せた。その時に得た自信もある」と虎視眈々と昨年以上の成績を狙っている。
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