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【亡き祖母に届けたい朗報―ウェイ・ユンジェの密かな誓い】 |
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第3日
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競技報告:塩原義雄 写真:Y.WATANABE / G.KOBAYASHI |
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フィニッシュでバランスを崩すほど気合の入ったショットで作り出すバーディチャンス。次々にパットを沈めていく。ウェイ・ユンジェが気迫のこもったプレーで7バーディを奪取、1ダブルボギー、1ボギーもあったが、それでも十分に“お釣り”がくる内容で68をマーク。通算8アンダーパーにスコアを伸ばしてトップタイに並んだ。
悲しい知らせが届いたのは、先週のミヤギテレビ杯ダンロップレディスの開幕直前だった。祖母が危篤状態になったとの知らせであった。すぐに主催者に同レディスの欠場を届け出て母国の台湾へと飛んだ。ウェイは、この祖母に育てられたのだという。臨終に間に合った。シュウ・サイインさん。享年88。最後の言
葉をかけることもできた。
「いつも、私のことを応援してくれたし、心配もしてくれていました。特にプロ入りしてからの私のゴルフがなかなか調子が出なかったり、ケガ(左足首捻挫)で体調を崩していることを知って、電話を掛けてくれていました。そんな祖母が老齢になったのに、傍にいてやれなくて申し訳ないと思っていたので、祖母の顔をみたら“ごめんね”という言葉が最初にでてきました。“でも、もうゴルフで心配かけることはしないから安心してね…”というと、小さくうなずいて、静かに息を引きとりました」。
葬儀を済ませて日本に戻り、臨んだ本選手権だ。「きっと、(祖母が)見守ってくれていると思う。優勝する姿を見せてあげたい」。
それでなくとも気合満点のゴルフを持ち味にするウェイである。ショットごとに気合が聞こえてきそうな鬼気迫るプレーだった。
アマチュアだった1998、1999年と2年連続で日本女子アマチュアゴルフ選手権優勝と日本女子オープンローアマチュアの栄誉に輝いている。プロ入りして、狙ったのは日本女子オープン優勝でアマチュアでもプロフェッショナルでもNO.1の座に着くことだったが、本選手権では、これまで2006年の4位タイがベストフィニッシュだ。ウェイにとっては、悲願ともいえる日本女子オープン初優勝に一番近い位置で最終ラウンドを迎えることになった。
これまでは、最終ラウンドに気合が空回りして自滅するパターンが多かった。「でも…」と、ウェイは言う。「祖母の臨終に立ち会えたことで、人生観というか、何かが自分の中で変わったことを感じています。気合を入れるところ、抑えるところ、その強弱を意識しながら、プレーできるように思うし、そういうゴルフなら祖母も安心して見守ってくれるのじゃないかな…なんて考えているんです」。
祖母にささげる日本女子オープンのタイトル。ウェイの密かな誓いである。
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