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【「自分には縁のないタイトル」と思っていたというテレサ・ルーがメジャー初戴冠】 |
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第4日
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競技報告:塩原義雄 写真:Y.WATANABE / G.KOBAYASHI |
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強烈な3連続バーディ発進、そしてサンデーバックナインの連続バーディ再発進だった。最終ラウンドに5打差を逆転したテレサ・ルーの爆発力が際立っていた。通算3アンダーパーで迎えた最終ラウンド。ルーは、ふたつのことを考えていたという。ひとつは「雨の中での戦いなので、自分が先にスコアを伸ばしていけば(逆転の)チャンスはある」。もうひとつは、台湾の大先輩プロで日本女子オープン歴代チャンピオンでもあるト・アギョクから与えられたアドバイスだった。「ゴルフができる幸せを感じて、もっと試合を楽しみなさい。自分を精神的に追い込んではいけない」。
日本女子プロゴルフ選手権の第1ラウンドは、体調不良のために14番
ホールを終えたところで棄権せざるを得なかった。急性胃炎であった。エントリーしていた翌週のマンシングウェア東海クラシックを欠場して、台湾に一時帰国した。家族との食事、会話でリフレッシュ、体調も整えたテレサ・ルーは日本に戻る前に大先輩のト・アギョクのもとを訪ね、アドバイスを求めた。好スタートを切ったはずの今シーズンだったが、ちょっとゴルフにも行き詰まっていた。これまでも、この大先輩には、いろいろと相談していた。そして、言われたのが、先述の話であった。
日本に戻って臨んだミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン。第2ラウンドに65をマークして首位で最終ラウンドを迎えた。終盤(15番ホール)のダブルボギーで自滅してしまった。3位に終わった結果に、ルーは反省する。「後半になって自分を精神的に追い込んでしまった。勝とう、という気持ちが強すぎて、大先輩にいわれた楽しむことを忘れてしまっていた。自分にできる最善の方法があるのに、その上のものを求めてはいけない。できる中でのベストをイメージしていれば、自分を追い込むようなことにならないのに…」。
1番(パー5)では、得意のロングドライブを生かして2オンを狙った。第2打は、バンカーにつかまったが、そこから1メートルに寄せて楽々バーディを奪った。2番(パー3)はピン手前2メートルにつけた。3番ホールではピンまで140ヤードを9番アイアンで攻めてこれまた2メートルに。8番、さらに後半にターンしての10、11番では、ロングパットを決める。6~7メートル。いずれも「ラインをしっかりと読めていたので、自信をもってストロークできた。入ると思っていました。ラインを読み切れずに不安な気持ちでいると、気持ちよくストロークできないし、わからないのに強めにヒットすると3パットのピンチになりかねない。だからわからないときは、距離を合わせるようにして次のパットにストレスがかからないようにする。今日は、そういうゴルフができて、楽しめました」。
14番をボギーにしたものの、トーナメントリーダーで迎えた最終18番ホールでも、テレサ・ルーは冷静でいた。「ティーショットも難しいし、グリーンも難しい。パーをとることに専念すれば、優勝に大きく近づける。そう思ってティーインググラウンドに上がりました」。
手にしたのは3番ウッドであった。しっかりとフェアウェイをとらえること。第2打では、左奥のピンを狙うのではなく、打っていきやすい右手前の広いエリア。ロングパットが残るが、それを2パットにおさめる。これが、テレサ・ルーの最終ホールへの戦略であった。そして、その通りのプレーでパーにおさめてのホールアウトとなった。
17番でバンカーから起死回生の1打を放ち、直接カップに放り込むバーディでイ・ナリが並んできた。そのナリは18番でドライバーによるティーショットを左ラフに打ち込み、そこからフェアウェイウッドで強引にグリーンを狙った第2打はやっと池を越えただけで再び深いラフ。アプローチショットはピンを10メートルもショートして脱落した。楽なプレーと自分を追い込んでしまうプレー。両者の明暗がはっきりと分かれた18番ホールではあった。
ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ宮里美香と同じ組でのラウンドだった。そして、表彰式では、その宮里からチャンピオンブレザーを着せ掛けられた。
「自分は、メジャーのタイトルには縁がないと思っていたのに、この場にいられて幸せです。大先輩の名前が刻まれたカップに自分の名前も刻まれるのは、本当に光栄です」。
優勝の実感は、「まだわかない」と言いながら「うれしい。HAPPY!」と声を弾ませた。
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