日本女子プロゴルフ選手権チャンピオンの鈴木愛は、日本女子オープンの優勝も狙っている。両タイトルの年間制覇は、樋口久子以来となる。今大会のためにスウィング調整していたことがある。日本女子プロでは、ドローボールを主体にしたゴルフを展開していたが、そのコントロールに乱れが生じてきたためだ。「右に打ち出してターゲットに戻してきていたのですが、先週はいきなり左に飛び出して、そこからさらに左に曲がるショットになることが多くて、このままじゃ日本女子オープンでは戦いにならない…と思って」。修正したのは、ドローボールからフェードボールへの切り替えだった。
もともとフェードボールを持ち球にしていたこともあり
、短期間の修正で本大会に間に合わせることができた。荒れていたショットは、すっかり影をひそめ、第1ラウンドでフェアウェイをはずしたのは、1ホールだけだった。唯一ラフに打ち込んだのは、10番からスタートして2バーディを奪った後の17番ホールだった。3オンでカップまで4メートル。ピンチだったが、このパーパットを決めてドライバーショットのミスをカバーした。
18番をボギーにしてターンした後半では、2番で3メートルを沈めた。とはいえ、鈴木は「バーディチャンスはたくさんあったのに、決まったのは2番だけ」というバーディであった。「ショットが良く、ほとんど狙ったところにいってくれました。フェアウェイから打てたので、グリーンでも、それほど難しいラインのパットを打たなくてもいい展開にもっていけた。それなのに、後半は1バーディだけだったのが、ちょっと口惜しいです」
今シーズンは、序盤に飛び出し、終盤に息切れする試合が目立った。そこに着眼して、鈴木は、こう話を続けた。
「もうちょっとスコアを伸ばして、いきなりトップに出るような流れにするより、好位置から徐々にペースアップしていく展開の方が、プレッシャーも少なくて、自分のゴルフを続けられるかもしれませんね。その意味では、いいスタートを切ったと思いたい」
発想の転換で、悔しさを押し込めた。
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