3アンダーパーの68と、絶好のスタートを切ったのは森田遥。今大会に向けてしっかり準備を整えていた。2週前の日本女子プロゴルフ選手権での自滅で得た教訓であった。最終ラウンドの前半9ホールを終えた時点では、通算1オーバーパーでトップに立っていた。バックナインでは、急激に暗転していった。2ボギー・2ダブルボギーの42を叩いての自滅であった。
「何がいけなかったのか、じっくり考えてみました。思い当たったのは、ふたつのことでした。ひとつは、スタミナ切れ。もうひとつは、新しくしたドライバーのショットがブレだして、コントロールがきかなくなってしまったことです」ということで、そこからの2週間は、スタミナ
養成のために食べた。「お腹いっぱいの状態から、もうひと押しして詰め込みました。食欲がなくても、無理やりお腹に詰め込みました」。
新しいモデルに切り替えたドライバーショットでも、かなりの数を打ち込んだ。こちらも、食べることと似たような状況を自ら作り出していた。「打ち疲れるぐらい打って、そこから、コントロールをチェックしながら、もう一籠。疲れた状態でも、信頼を失わずにすむだけのものをつかみたかったのです」
ラウンド中は、ほとんど何も口にすることはなかったのに、今大会では、同行した母親お手製のおにぎりを用意していた。「歩きながらも食べやすい一口サイズの小さなおにぎりで、ひとつずつ違う具をいれて作ってもらいました。ちょっとお腹が空いたな…と感じたときに?いえ、それでは遅いんです。空いてなくても、タイミングをみながら食べることで、スタミナ補給をしました」
しっかり準備してラウンドした結果は、4バーディ・1ボギーの68だった。スタートの10番(パー4)こそボギーにしたものの、12番で下り4メートルを沈めると、16番(パー5)でも、6メートルをカップインさせた。1番にターンして4番(パー3)ではティーショットを2メートルほどにつけ、7番では第2打をさらに近い50センチにつけて2バーディを加えた。
「雨で、ラフに入れるとコントロールが効かない状態になるから、厳しいラウンドになる。イーブンパーか1オーバーパーでホールアウトできれば上出来かな…と思っていました。でも、ドライバーはじめ、ショットが思いのほか良くて、想定外の好スコアが出ました。難しいコース、難しいコンディションでしたが、不思議なほど淡々とプレーを続けられましたね」
2013年には、日本女子アマチュアゴルフ選手権を制している森田にとっては、「アマチュア時代にナショナルチームのメンバーとしてもお世話になったJGAの主催ゲームなので、恩返しの意味でも、優勝したい大会です」と、モチベーションを高めている。
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