奇しくも昨年の本大会で、最終ラウンドで優勝争いをした1人、菊地絵理香と同組でラウンドした柏原明日架。思えば昨年の大会で、首位と1打差の2位でスタートし、大接戦を演じたが、土壇場の17番で、なんとトリプルボギーを叩いて敗れた。
その試合後のインタビューで「優勝する人と、出来なかった自分の違いを感じていた。自分は、自分に期待をし過ぎてします。目の前の1打に集中したい」と語っていたことが印象的だった。
その柏原は、2番(パー4)でいきなりボギー。そのとき、ふと我に返った。それが「1打の切り換え」だった。目の前の1打に集中する。過去を引きずらない。むしろ、前向きに1打と向き合う。ということ
だった。
それが、7番からの3連続バーディに繋がったという。7番では、2メートル。8番では、8メートル。9番では、10メートルのバーディパット沈めた。
後半は、耐えるゴルフだった。辛抱強く、チャンスを待つ。ピンチからチャンスにつながることもあるし、チャンスからピンチに陥ることもある。そういうゲームの流れで、自分を失わないことだという気持ちを強く持ち続けた。
「いまの自分の調子が決して万全ではないけれど、自分が、それをうまく底上げしながら戦っていくしかないですからね」と語る。そして、まだ始まったばかり「あと、3日間ありますから」と、焦る気持ち、逸る気持ちを整えてプレーした。
菊地と同じ1アンダーパー。10人の選手が並んでいる。柏原が、この1年間に学んだとすれば、それは満を持すという心構えと、辛抱強さかも知れない。
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