第1ラウンドに、4パットのダブルボギーなど、らしからぬスタートを切ったディフェンディングチャンピオンのチョン インジ。浮上が期待された第2ラウンドも、1オーバーパーの72で通算5オーバーパー(43位タイ)と、出遅れ状態が続いた。ホールアウトした後は、報道陣のインタビューを受け、そのままクラブハウス前に足を向けた。そこには色紙や大会キャップなどを手にしたギャラリーの長打の列ができていた。その数、ざっと200人。インジは、ひとりひとりに丁寧にサインペンを走らせ、書き終わって手渡すときには「アリガトウゴザイマス」と頭を下げる。
インタビューでは、エビアン選手権に優勝した後に戻った韓国では「いろ
いろなイベントやマスコミのインタビューなどスケジュールがびっしりでほとんど練習できなかった」と語り、調整不足で日本女子オープンに臨まなくてはならなかったことや、2日間のラウンドで修正すべきポイントが2か所あることに気づいたことなどを口にしていた。すぐにでも、ドライビングレンジに足を運びたかったのであろうが、その前にもっと大切なファンサービスを忘れていなかった。
立ちっぱなしで全員にサインし終わったのは、40分後だった。軽食をとって、足を運んだドライビングレンジ。トップスウィングの位置を、少し深く、大きくするように修正するチェックを黙々と続けた。そこには、ファンに見せた笑顔はなかった。そんなポジションにいようが、まだ2日間ある。そこでトップグループを急襲する態勢が作れるかもしれない。いや、トップ位置を何度もチェックし、飛び去る白球に鋭い視線を向ける姿からは、追撃せずにはおかないという気迫が伝わってきた。
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