2日間、36ホール終了時で、3ボギーは、上位グループでも堀琴音しかいない。だれもがコース攻略に悩み、第1ラウンドは平均ストロークが74.822(パー71)という難コースを考えると、2日間で8バーディ・3ボギーの通算5アンダーパーは秀逸だ。特に第2ラウンドは、4バーディ・ノーボギー。2位のアマチュア長野未祈を1打抑えてプロの面目を躍如した。
好調の理由は、パッティングだという。「ずっとパッティングに悩んでいて、森田理香子さんに聞いたり、パットをマレット型からピン型に換えたりしたことが、好調の原因だと思います」と堀は、語った。森田と一緒にラウンドした試合で知り合い「思い切って聞いてみようと教
わりに行ったんです。そうしたら、ほんとに優しく教えてくれました」という。アドバイスは、もう少し肩を使ってストロークしなさいということと「素振りだけ(の意識)で終わらす、実際に打つイメージをもっと強く待ったほうがいい。そのイメージのまま実際にも同じ感覚で打ったほうがいいですよ」というものだった。なんとなく素振りで終わってしまうイメージから、しっかりと実際に打つ意識をしっかりと持って素振りせよ、ということだった。パターを以前使っていたピン型に戻し、グリップも変えて挑んだこの大会で、見事にその効果がだせたのだ。
7番で、1メートル。14番で、3メートル。難しい17番で7メートル、そして18番で7メートルのバーディである。それでも「2、3ホール、バーディチャンスを逃したんですよ」ということは、ショットも当然調子がいいはずである。「どう考えても、悩んでも、フェアウェイは狭いし、ラフはしっかりあるし、どうしようもないので、覚悟を決めて打つというのが良かったのかな、と思います」迷った分だけ曲がるとよく言われる。ならば、迷いを捨てて、澱みないショットをすればいい、という覚悟だが、なかなかそうはいかない。でも、堀は、それをやってのけたのだった。
特に、17番ホール。490ヤード、パー4。前日の平均ストロークが4.932で難易度トップのホールで、堀は、この日バーディをもぎ取っている。「相性がいいというか、昨日は、第2打を3番ウッドで攻めて3メートルにつけたんです。バーディを逃しましたけどね。今日は、残り191ヤードを7番ウッドでカット目に打って4メートル。スネークラインを決めました」という。
ときおり途中にある速報ボードを見た。トップがどの程度のアンダーパーで回っているのかのチェックである。すると、そこにアマチュアの長野未祈の名前がトップにあった。ふと自分のことを思い浮かべたという。「私、高校3年のときに初めてこの大会に出場しただなぁ。そのときは、ボードに名前が載るなんて考えてもみなかった」と。今大会に臨むにあたって「(日本女子オープンのメジャーであることを)あまり考えすぎないように、意識せずにリラックスして回ろうって思っていました」と言った。
このパッティングのタッチが、残り2日間も命運を決める。
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