2016年度(第81回)日本オープンゴルフ選手権の開幕を2日後に控えた10月11日、会場の狭山ゴルフ・クラブで「フューチャー・ゴルファーズ・セミナー」を開催しました。
本セミナーには、各地区ゴルフ連盟強化指定選手や本選手権に出場するアマチュア選手を対象に開催しているもので、今年は、33名の地区強化指定選手と世界アマに出場した亀代順哉、金谷拓実、日本ジュニアチャンピオンの小斉平優和、中部地区の強化指定選手の木村太一らが参加。今年のセミナーには、4年ぶりでプロとして初めて日本オープンに出場する松山英樹選手と3年連続3度目の出場となるアダム・スコット選手に本セミナー開催に協力いただきました。
USツアーで戦う松山選手は、「ゴルフだけではなく、英語も準備していくことが大切」とジュニアたちに語りかけると、「芝の違いに慣れるためには、様々な国でプレーする経験が必要だと思う。自分は、ナショナルチームで国際競技に出場することが出来て、アマチュア時代からたくさんの経験を積むことが出来たことも良かったと思っています。皆さんもチャンスがあれば、どんどん海外の試合に出場してほしい」真摯なまなざしで自らの経験を語ってくれました。出席者から、プレッシャーを感じるときの対処の仕方の質問が出ると、「プレッシャーは感じるのが当然のことです。自分がプレッシャーを受けて変わってしまうことを理解して、そのための準備をしていく。そして試合の時に対応していくようにしています」と松山選手の魅力の一つでもある強靭なメンタルの秘密を明かしてくれました。
松山選手に続いてセミナー会場に訪れたアダム・スコット選手は、「その国のナショナルオープンに出場し、勝利することは、その国の選手にとってすごく名誉なこと。今年、松山選手と石川選手が日本オープンに出場することを決めたのは、とてもうれしいし、きっと彼らのゴルフ人生にも良い結果となって繋がると思う。そして、松山選手が、皆さんの前で自身の経験を話してくれたことも、彼にとって有意義なことだと思うし、昨年に続いて、皆さんに自分の経験してきたことを伝えることが出来る場を設けてもらったことを嬉しく思う」と柔和な笑顔で語りました。そして、どんなピンチにもクールな表情を隠さないアダム選手の秘訣を問われると「昔は自分も感情的になったことがあります。でも、今はその悪い一打で1週間を台無しにするのはもったいないと思えるようになった。メンタルを上手くコントロールできないことで、全てを失うことは簡単なことだと気がついてから、メンタルコントロールをするようになりました」と、優しく答えてくれました。また、16歳のころの自分の練習を振り返って、「あのころは、とにかくたくさん練習をしました。でも、いま振り返ると、練習をし過ぎていたかもしれません。今の自分が16歳の自分に何か言うことが出来るとすれば、練習の質を考えること。ショットの練習は全体の40%、残りはショートゲームの練習にあてるようにと言いたいですね」と、笑いを誘い、USツアーで成功するための秘訣はという問いに、「マキロイ、スピース。今、USツアーで活躍している2人は、それぞれ個性的なプレーをしています。自分とは全く違うゴルフです。USツアーで成功するには、自分のベストをいかに発揮できるかということです。自分のゴルフを確立して、自分を理解して準備することが大切だと思います」と、世界の舞台を夢見る選手たちに、最も大切なことは何かを真摯に語ってくれました。
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