2016年度(第81回)日本オープンゴルフ選手権競技
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大会のみどころ 筋書きのないドラマが、今、幕を開ける・塩原 義雄(JGAオフィシャルライター)
 
3年連続出場のアダム・スコット、アマチュア時代の2012年大会以来4年ぶり、プロとしては初出場となる松山英樹、腰痛から立ち直り、本来の攻撃ゴルフを取り戻して、これまた4年ぶりの出場を決めた石川遼。今大会、最も注目され、人気も集中しそうなのは、この3選手であろう。そのことは、想像に難くない。

この3選手に加えて大会連覇のかかる小平智、昨年のリベンジを誓い、2年ぶり2度目の優勝を目論む池田勇太、日本プロゴルフ選手権に続いてのメジャータイトル奪取に燃える谷原秀人、さらにM・ヘンドリー、宋永漢やプロ初優勝を果たした塚田陽亮、時松隆光ら賞金ランキングの上位者が優勝を目指して鎬を削る闘いを期待し、大会の歴史に新しくも大きな1ページが加わることを願いたい。

いったい、どんなドラマが待っているのであろうか。

アダム・スコットは、昨年大会を7位タイで終え、獲得賞金を前年同様に主催者を通じて全額寄付してコースを去る前に、こんなコメントを残していた。
「昨年、今年と、準備不足だったことを反省したい。この大会は、その状態で優勝争いに加われるほど甘くはない。次回は、もっと、しっかり準備して、もっと良いプレーと結果を日本のファンにお見せする」。万全の準備をして本大会に臨むアダム・スコットの世界基準のプレーは注目だ。

本大会出場が決まった石川と松山が直接対決したのが2010年大会(愛知CC)だった。石川はプロ、松山はアマチュアと立場は違ったが、この大会で松山は優勝争いに加わり3位タイでローアマチュア。8位タイだった石川を上回ったことで、一気に注目度を高めた。その後、松山はプロ転向1年目に日本ツアー賞金王を獲得し、強豪ひしめくUSPGAツアーを主戦場に定め、2勝を挙げ、実ともに世界のトッププロの仲間入りを果たした。また、石川は、USPGAツアーで苦戦が続き、今年2月には腰痛を発症させてしまったが、今シーズン、日本ツアーに出場すると、初戦の日本プロこそ予選落ちを喫したものの、8月末から出場した3戦で優勝、2位タイ、3位とその輝きを取り戻している。今年、日本で初お目見えの松山英樹。そして、お互いに世界を目指して奮闘を続ける石川遼。同世代の2人が世界の舞台で培ってきた技術とメンタリティーをナショナルオープンで披露してくれるだろう。
谷原秀人は、セガサミーカップ、日本プロと2週連続優勝したのをはじめ、今シーズンは安定したゴルフが続き、成績も残している。平均ストロークは1位、その他パーオン率、平均パット数、バーディ率などの部門でも上位をキープしている。総合力が求められる日本オープンでは、優勝を引き寄せるバランスのとれたゴルフを展開する谷原も有力選手として名前を挙げておかなければなるまい。

今年、彗星のごとく現れたのが時松隆光。チャレンジツアー優勝の権利で出場した7月のダンロップ・スリクソン福島オープンでツアー初優勝。チャレンジ優勝枠からツアー初優勝につなげた史上初の選手となった。続いて翌週ツアー外競技ではありながら、高額賞金がかかったネスレマッチプレーレクサス杯も制し、一気にスターダムにのし上がった。

2014年大会優勝、昨年大会2位の池田勇太。2014年大会2位タイ、昨年大会優勝の小平智。両選手が、ここ2大会優勝争いを牽引してきた。今大会も両選手のワンツー・フィニッシュはあるのだろうか。面白いのは、両選手とも「日本オープンに調子のピークがくるように体・技・心を整える」と口にしていたところだ。どういう調子で臨めば優勝争いができるポジションに自分をおくことができるのか。それを知っている強みがある。

筋書きはない、とはいえ、一瞬も目を離せないクライマックスが待っているのは間違いない。
宋永漢、塚田陽亮、M・ヘンドリー

昨年大会では日本アマチャンピオンの高校2年生、金谷拓実が第2ラウンドに一時トップに躍り出てギャラリーを沸かせた。第3ラウンドは、優勝した小平智と最終組でのラウンドとなり、主役の座をめぐる争いの真っただ中で健闘していた。最終的には11位でのフィニッシュだったが、細い体をしならせて正確なショットを打ち出すゴルフ。そして、どこからでもカップインさせるような積極的なパッティングは出場選手の中でも出色であった。

2010年大会で松山英樹が3位に食い込んでのローアマチュアを獲得して以来、アマチュアとして出場する選手たちの意識に変化がうかがえるようになった。ただアマチュアでは1番の好成績というのではなく、あわよくば優勝を―という野望を秘めて日本オープンに臨むようになっているのだ。金谷も、昨年の経験で、最終ラウンドに優勝争いができる位置にいるのが夢ではないことを実感しただろう。

昨年の日本アマ決勝を金谷と戦いランナーアップだったのが、中学3年生の中島啓太だった。今年は高校1年生となってドリームステージから本選初出場を決めた。得意はショートゲーム。巧みなスコアメイクが本選でも見られそうだ。

今年の日本アマを制したのは亀代順哉。プロをうならせるパワフルなゴルフが持ち味で、今年の日本ツアー国内開幕戦・東建ホームメイトカップではドライバー平均飛距離でプロを抑えて出場選手中のトップだった。この試合、6位タイに食い込み、ローアマチュアの座を射止めもした。大阪学院大学の4年生。身長は167センチだが、がっしりとした体から放たれる豪打は破壊力満点だ。大学生では、東北福祉大学3年の比嘉一貴もローアマチュア有力候補である。日本アマでは、プレーオフで惜敗し亀代についでの2位だった。158センチと小柄だが、爆発力には定評がある。スロースターターというか、追い上げタイプというか、惜しくも優勝に届かず…という展開が多い。スタートダッシュから一気に突っ走る流れを作れれば、念願の日本オープンローアマチュアの座が待っている。こちらも、し烈な争いになりそうだ。
金谷拓実、中島啓太、亀代順哉、比嘉一貴
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