2016年度(第81回)日本オープンゴルフ選手権は13日、薄曇りの中第1ラウンドが定刻にスタート。本年の男子ゴルファー日本一を決する戦いが開幕した。本年の舞台となるのは埼玉県入間市の狭山ゴルフ・クラブ。過去に日本シニアオープンゴルフ選手権やJGTOツアー競技の会場にもなった日本を代表するコースで、120名の選手が日本一の座を目指して熱戦を繰り広げる。
大会連覇を狙う小平智は、首痛の影響もありここまで納得できる成績を残せてはいないが、「ユニシスポイントのデータは4位と良いので自信を持っている。良い調子だと思う」と不安はない。ただし、日本一を決するに相応しい最高の状態に仕上げられたコースには「日本オープンというコースセッティングで難しい。ラフに入ったら出すだけになりそう」と警戒心を強める。「でも、狭山ゴルフ・クラブのグリーンは硬さも柔らかくもなく、硬くもなく、スピードも出ている。ここの所雨が多かった中、良いグリーンに仕上がっていますね。そこは自分としては嬉しいし、気持ちいい」と賛辞を惜しまない。「自分は4日間パープレーが目標。パープレーなら優勝争いが出来る。でも、ディフェンディングチャンピオンだけど、コースも違うので、それはあまり意識しない」と自然体で連覇を狙う。
最も注目を集めるのは、3年連続3度目の出場となるアダム・スコット選手、プロとして日本オープン初出場の松山英樹、腰痛からの復調も目覚ましい石川遼の3選手。既に発表の通り、3選手は第1・第2ラウンドを同じ組でプレーすることが決定しており、世界を舞台に戦ってきた妙技を日本のゴルフファンに揃って披露してくれるだろう。今年日本でプレーするのは初めてとなる松山は、「日本では年間数試合しか出場できない中、少しでも印象深いプレーが出来れば。1打1打見ている人に何か伝わればよいかなと思う」と、久しぶりの日本でギャラリーを沸かせるプレーを見せる決意を示すと、「狭山ゴルフ・クラブは、2012年の日本学生で優勝したコース。でも、日本オープンでは全く当時の印象と異なり、フェアウェイが狭くてラフが深い」と、ゲンの良いコースでのナショナルオープンながら、警戒心を強めていた。
一方のアダム・スコットは、「過去2度の日本オープンと比較すると、USPGAツアー寄りの距離の長いコースで自分に合っていると感じている」と、3度目の正直の実現に手ごたえを感じている。「ラフが非常に深いので、選手の調子によってスコアに大きな差が出ると思う。ただ、10アンダーパーを出せれば優勝に近づくことが出来ると思う」と2016年シーズンUSPGAツアー2勝を飾り世界ランキング6位につけている自信をのぞかせた。
腰痛の治療もあり、シーズン途中からUSPGAツアーを離れ、国内で調整を続けていた石川遼も8月のツアー競技で今季初優勝を挙げて復活の狼煙を上げ、ナショナルオープン初制覇に照準を絞っている。今日の練習ラウンドは、筋肉の張りを感じキャンセルしたが、4年ぶりの日本オープン出場は、「7、8年前…あのころはツアーの中の1試合で、日本オープンのために準備する時間もなく、普段のコースよりセッティングが難しいという印象でした。でも、アメリカでプレーして、久しぶりに日本オープンに戻ってくると、このセッティングは好きだなって。300ヤードを真っすぐ飛ばす。とんで曲がらないというのが攻略の第一関門のセッティングでそういう部分を試されるコース。ティーショット、アイアンの精度が求められるセッティングで、自分にとっては有利ではないけれど、選手が育つと思う」と、自らのアメリカでの経験を踏まえて、世界基準を目指す日本オープンのセッティングに改めて感じいるところもあったようだ。
先週のツアー競技で月曜日までもつれ込んだプレーオフの激戦を制して今季2勝目を飾った池田勇太も昨年大会のリベンジで本選手権2勝目を狙う。「疲れは正直厳しいものがあります」と顔をしかめる池田だが、「4日目に向けて徐々に調子を上げられればいい。第1Rと第2Rの組合せはすごく良いと思うので、楽しくできればいい。徐々に気合が入ってくれればいいかなと思います」と、昨年大会2位に終わったリベンジに向けて静かな闘志を燃やしている。
アマチュアでは、今年の日本アマを制した飛距離が魅力の亀代順哉。昨年大会で旋風を巻き起こした金谷拓実、日本アマで亀代に惜敗したものの2度目の日本アマランナーアップとなった実力者の比嘉一貴の世界アマチュアゴルフチーム選手権日本代表の3人のプレーに注目だ。
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