連覇を狙う小平智の序盤は、芳しいものではなかった。10番からのスタートで11番から3ホール連続ボギーと大きく躓いたかに思われた。小平は前夜、初めて参加したチャンピオンズ・ディナーでの出来事を思い出していた。
「途中からお酒が入って諸先輩から声を掛けていただきました。中嶋さん、片山さん、谷口さんに同じことをいわれました。“俺たちは、このタイトルを2回獲らないと本物のジャパンオープンチャンピオンとは認めないからな”って。もう一回勝ちたい。本当に、そう思った。トロフィー見た時も、もう一回手にしたいという気持ちが強くなった」
そして、3連続ボギーから気持ちを切り替えた。「アイアンショットの感覚がよ
くなかったから、3連続ボギーは仕方がない。受け入れました」。この後2バーディ・1ボギーの2オーバーパーで後半に折り返すと、ティーショット、アイアンショットが安定し、精度も高まった。4番、6番、7番とチャンスを作り出し、バーディに仕留める。
「グリーンコンディションが最高。速いし、綺麗だし、やっていて気持ちよい。このグリーンで決めなきゃ仕方がないだろうって、自分にハッパをかけて、リズムよくストロークしました」
パッティングの感触も蘇らせての3バーディで、1アンダーパーでのホールアウトは、ナイスカムバックであった。4位タイ。好位置でスタートを切れた。目標の連覇に改めて照準を合わせた格好になった。
「3連続ボギーはともかく、そこからのプレーが明日からもできれば、自ずと上にいけると思います」
ディフェンディングチャンピオンは、自信たっぷりの言葉で締めくくった。
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