1万人以上の大ギャラリーが詰めかけた第1ラウンド。トップに立ったのは、韓国のH・W・リューだった。1981年9月生まれの35歳。2012年から日本ツアーに参戦し、同年のコカコーラ東海クラシックで片山晋呉をプレーオフでくだして初優勝を果たしている。堅実なプレーを持ち味にする中堅選手である。
練習ラウンドで「とりあえず、白紙の状態から情報を集めた」という。得た情報は「とにかくラフに入れないこと。ラフに打ち込んだら、ボギーどころかすぐにダブルボギーになってしまう」であった。
第1ラウンド。リューは、ティーショットでのフェアウェイキープを最優先させるゴルフを徹底した。「フェアウェイのどこが最も
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広いのか。そのエリアの距離に合わせてクラブ選択をしていった」ということで、ドライバーを手にしたのはパー5の他に2ホールだけで、あとは3番ウッドか5番ウッドで、しっかりターゲットをとらえていった。この作戦が、ボギーなしで4バーディという会心のスコアを生み出した。“会心”というのは、練習ラウンドでの手応えとしては「ハーフで2オーバーパーとか3オーバーパーになることを覚悟しなければならないと思った」からだ。その想定スコアからすれば、今日の4アンダーパーは、8アンダーパー以上に相当する。好スコアというよりは快スコアといった方がよさそうだ。
ラフに入ったのは2ホールだけ。7番と13番だった。7番は、ピンまで80ヤードの地点にレイアップし、第3打を3メートルにつけてパーをセーブした。13番は、グリーン近くまで飛ばしていたのでアプローチショットでグリーンに乗せるのには難しい状況ではなかった。前半で3バーディを奪ってターンするときキャディーと後半目指すべきゴルフについて話したという。「後半は3オーバーパーでもいいから、イーブンパーにとどめておこう」。ということで話はまとまった。「それで、気持ちが楽になり、ようやく緊張も解けたとたんにお腹がすいたと感じた(笑)」
コースには大ギャラリーが詰めかけていたが、「自分のゴルフに集中していたので、それほど多くの人たちがいたことにも気が付かなかった」と、また笑った。第1ラウンドのデータでは、リューのフェアウェイキープ率は78.57で第1位だった。「残る3日間、今日のようなスコアが出るかどうかはわからないけど、第1ラウンドと同じ作戦のゴルフはできる。とにかくフェアウェイキープです!」
単独トップは、戦略に導かれた座であった。
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