第1ラウンドはノーバーディの76を叩き、失意のうちにホールアウトしたアダム・スコット。第2ラウンドは「バーディを量産しなければならない日になる」と、ジャンプアップを期してのスタートとなった。10番ホールからのスタートで、いきなり10メートル以上の距離のパットが決まってのバーディ発進だった。さらに距離の短い13番(パー4)では、右林越えに果敢に1オン狙いのドライバーショットを放った。ボールは、グリーンに着弾したが、止まらずに右奥のバンカーに転がり込んでしまった。ピンまで30ヤードのバンカーショット。落下したボールは、下りラインに乗って、そのままカップに転がり込んだ。イーグル。この時点で前日の6オ
ーバーパーから通算3オーバーパーにして、上位浮上をうかがえる流れを作ったかに見えたが、残念なことに見せ場は、ここまでだった。続く14番をボギーにすると、すっかり前日のゴルフに戻ってしまった。17番でダブルボギー。後半にターンしても1、2、3番と3連続ボギー。カットラインを大きく越えていった。
「出だしは非常によかったのですが、その後はフェアウェイをとらえることができなかった。このコースでは、それが命取りになります。ほとんどラフから出すことだけに終始してしまいました。仲のよい友人たちと、多くのお客さんの前でプレーできてとても楽しかったのですが、自分がお客さんを十分に楽しませることができなかったことを申し訳なく思います。この週末は、自分のゴルフをどう修正していくか考えることに使います」。
仲の良い友人と言った松山英樹、石川遼両選手のこの日のプレーは、スコットの目にどう映っていたのだろうか。
「リョウは、とてもいいゴルフをしていました。フェアウェイを多くとらえてパッティングの内容も良かった。故障があった中で良い内容のゴルフをしているのは、見ていて嬉しかったし、来年は彼にとって、素晴らしい年になって欲しいと願っています。ヒデキは内容的にベストではなかったかもしれません。でも、スコアメイクは上手で、巧みにまとめていました。二人とも週末に良い内容でラウンドすることができれば、間違いなくチャンスはあると思います」。
注目を集めた3人の組合せは、第2ラウンドで解散することになり、「自分は、来年もチャンスがあれば、また戻ってきたいと思います。次こそ優勝するために」というコメントを残してアダム・スコットはコースを去っていった。
|