「きょうは、締まったゴルフができました」と石川遼は、言った。締まった、つまり、引き締まった、メリハリのある、リズムがいいゴルフということだろう。その言葉通り、前半(10番ホールスタート)の15番(パー4)でバーディ。このバーディで「やっと日本オープンが(自分のゴルフの調子の中で)開幕したという感じでした」と言った。「練習ラウンドのときに、いいプレーができれば1アンダーパーか2アンダーパーが限界かなという印象でしたけど、ボギーがありながらこのスコア。アグレッシブなゴルフが、ようやくやれていると思います」と語る。それもこれも15番のバーディが、はじまりだった。
「15番の第2打でフライヤーしたシ
ョットが、奥7メートルについたんです。それを決められたことが大きかったですね。そこから微妙(で難しいラインの)パーパットが続きましたけど、それも決めることができて、リズムに乗れました」
後半に入って、2番、4番、7番、8番と4つのバーディを奪った。もちろんボギーもあった。5、6番だ。
「この2ボギーのあとの7番のティーショットは、とても大事だったんですね」と悪い流れに歯止めをし、再びいいリズムを取り戻すキーポイントとなるドライバーショットを、石川はイメージ通り打てたことも、締りのあるゴルフのポイントだった。
「あの7番ホールのティーショットは、ほんとに(飛球ラインの)狙い目が、ボール1個幅ぐらいしかないんですよ。同じ場面で、アダム・スコットが、プロの僕たちが見た目でも、ナイスショットだったけれど、ほんの僅か(ボール1個の飛球ライン幅)ズレて、結局フェアウェイ左に止まらずに、いちばん難しいラフに入ったでしょう?そのくらいフェアウェイ幅も狭いので、狙い目が、ボール1個幅しかないというところなんです。それをしっかり打てたことが今日のスコアに結びついていると思うし、いいリズムで回れたということだと思います」と石川が、語る。
締りのいいゴルフとは、たとえボギーを叩いても、ズルズルと引きずらず、しっかりバーディに変えていく歯切れのいいゴルフでもあるのだ。
「アイアンは、昨日から徐々に修正できています。あとは、距離感(縦距離)にもうちょっと自信が持てればという感じですね。最後(9番)も、奥4.5メートルを狙ったのに10メートルに行ってしまったり。また、自分では届いているつもりが届いていなかったりというケースがあったので、いまひとつ自分を信じきれない。その距離感がもっとしっかりしてくれば、と思います」
石川遼は、通算2オーバーパー。14位タイ。松山とは1打差。そして首位とは、4打差。第3ラウンドは向けて上位を、松山英樹を見据えてスコアを伸ばし、最終ラウンドには優勝争いをするという目論見を立てているのだろう。
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