1番でボギーの後、2、4、7番とバーディを奪った小平智は、しっかりと首位グループに並走するように後半へと折り返した。そして10番でバーディを奪って通算3アンダーパー。この時点では、李京勲と並んで首位だった。同じ組の松山が、2、9番でバーディを奪ってようやくの通算1アンダーパー。H・W・リューは、1番で、いきなりトリプルボギーで通算1オーバーパーまで落とし、それでも、6、8番をバーディとして通算1アンダーパーまで戻していた。
小平が、首位タイとなったことで、ひょっとすると何かの動揺があったのだろうか。外側から見ていると、第3ラウンドでありながら最終ラウンドのゴルフ、つまり攻める、勝負をかけるゴ
ルフのような感じがした。それが「ティーショットが、なかなかフェアウェイを捉えてくれなかった」微妙な変化に繋がったと推測できる。
「これだけフェアウェイにいかなければ、勝負にならないですよ」と、悔恨の表情を見せた。
11,12、13、14番でパープレーが続く。けれども、決してバーディチャンスを逃しただけのパーではなく、内容は苦戦が続くものだった。
「ショットが悪くて、しかも運がなかったケースがいろいろありましたから」と言う小平の典型的な不運が、17番(パー5)だった。15番でボギーにしたあとの17番。ティーショットを右ラフに打ち込み、第2打はラフが絡みつくショットで、ボールは30ヤードほどしか飛ばなかった。さらにそこから「ラフの脇に止まって、しかもディボットの跡」からのショットとなり乗らず入らずのボギー。
「(内容的にもショットも)悪いゴルフはしていないのに」と呟く小平。まずはティーショットをフェアウェイに置くことから組み立て直して最終ラウンドに勝負をかけたいところだ。小平も「勝ちたい。連覇したい」という強い信念を持って臨んだこの大会。まだまだ諦めるわけにはいかないのだ。首位の松山とは4打差。このコースセッティングとナショナルオープンという重みは、4打差は、あってないようなものである。
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