史上6人目の大会連覇を目指した小平智。3番でボギーが先行したものの粘り強いゴルフを展開していた。夢が遠のいたのは7番ホールだった。ティーショットが狙っていたラインにあった木に当たり、どちらかにはねた。落ちたと思われるあたりまで行ったもののボールは見つからない。行方を見ていたギャラリーからOBラインを越えていったことを知らされ、小平はティーインググラウンドへと打ち直しのために戻っていった。結局、このホールをダブルボギーとして、首位の松山から大きく引き離されてしまった。
「こういう難しいセッティングのコースでマネジメントだったり、自分のゴルフスタイルを貫き通せていたことで、手応えがあったのですが
、あの1打(7番ホール)が木に当たってしまったことで、“今日は、自分の日じゃないんだ”と思わされてしまいました。だから、あの後は、優勝とかではなく、自分の力を見せることに意識を切り替えた」。
確かに、小平は続く8番、9番を連続バーディーにしてOBの分を帳消しにして意地も見せたが、結局、通算2オーバーパーで6位に終わった。この大会の収穫は、他にあった。第3ラウンドに松山英樹と同じ組でラウンドしたことだ。
ジュニアのころから知っているし、学生の競技でも、何度か顔を合わせていました。でも、その頃とは比べ物にならないほど体もゴルフのスケールも大きくなっていて、刺激を受けました。最終ラウンドも、上位陣でスコアを伸ばしたのは英樹だけ。ポンと出て優勝するっていうのは、レベルが高い。やっぱり、世界で戦っている選手というのは、違うなって思わされますよ。自分も、世界で戦いたいという思いを一層強くしたし、見習うところは見習い、負けていないと思えたところは伸ばして、これからのゴルフに繋げていきます」。
小平の次の夢は、世界のステージに立ち、スケールアップしたゴルフで戦うことだ。
|