通算7アンダーパーで鈴木亨と並んで首位に立ったプラヤド・マークセン。実は、年齢も同じで、レギュラーツアーでも何度か一緒にプレーしたことがある。「学年は、マークセンのほうが1年上なんですけどね。やっぱり負けたくないですね」と鈴木亨が言うと、マークセンも「明日は、鈴木と同じ最終組だから、とても楽しみだよ」と笑顔を見せた。
マークセンが、強い。その強さのひとつには、飛距離がある。普通にドライバーを振って284ヤード前後(JGTOデータ)。しっかりと振ると、300ヤード。これが、武器である。それだけではない。とてつもない試合巧者だ。マークセンは、練習場で打球練習をするよりも、ラウンド数が極めて多
い。移動する時間。食事、就寝などの私生活を除けば、試合のない休日でも、コースに出てラウンドする。ラウンドすることが好きで、趣味と実益を兼ねていると言ってもいい。
この日、18番(532ヤード、パー5)で、マークセンは、第1打のティーショットで、5番ウッドを手にした。そして第2打を3番ウッドで狙った。え?と聞き返すと「いや、昨日はティーショットで3番ウッド、2打目で5番ウッドだったんだけど、3番ウッドのティーショットが、飛びすぎちゃってね。あそこは260ヤードゾーンに落としたいところなんだけど、3番ではオーバーしてしまったんですよ」と、ケロリとした顔で説明してくれた。
出だしから5ホール連続でパープレー。スコアが動いたのが6番。そこでボギー。そして9番でバーディ。後半に入って、10、11番でバーディを奪って、残り7ホールが、これまたパープレー。結果的に、2アンダーパーの70として通算7アンダーパー。そのマークセンが、嘆く。
「今日は、パッティングがひどかったんだよ。特にスライスラインで外したのがかなりあったなぁ。だって、ほとんどのホールが2パット。1パットで上がったのが、4番と7番。もう少し入ればねぇ……」と、飄々と語った。
もちろん、このタイトルは、是が非でも欲しい。「明日は、リズムと気が合うズズキと一緒の組だから、きっとパッティングも少しは良くなってくれるんじゃないかな。(優勝)チャンスは、十分にあると思う」
きっと、マークセンも鈴木も、レギュラーツアーのテンションそのままで、白熱した優勝争いを繰り広げると思う。
|